更新日:2020年12月01日 16:06
エンタメ

平成生まれのパチンコライターが昭和のパチンコを打ってみた

演出がないから通常時がツラい……

 実践開始から約1時間。演出が発生しない、ハンドルも硬いし、画面もなんだか暗い。今のパチプロなら確実にスマホゲームをやったりYouTubeを観ながら打つでしょうけど、この台が現役だった頃は当然そんなものなかったわけで……。 セールス森田「射駒さん、この台って演出とか前兆とかってないんですか?」 射駒タケシ「あはは。そんなもんあるワケないやろ」 セールス森田「じゃあ、スーパーリーチとか……」 射駒タケシ「ないないない(笑)。まぁ、強いて言うならリーチ掛かってメロンを超えると大当たりかハズレても±1コマズレだったかな。だから、メロン超えたらめっちゃ熱い」
たんぽぽ

射駒タケシさんはお座り一発を決めてご満悦!

 今となっては当たり前ですが、当時の台は前兆や演出は皆無。一部の機種にはスーパーリーチも搭載されていたようですが、平成以降しか知らない私には「シンプルモード 極」をただ打ち続けているような気持ちです。しかもまったく当たらない……。そこでふと気づいたわけです。「やっぱ当たらなくても演出が賑やかな方がいいな」と。そう、時間消費型レジャーであるパチンコは、当たらなくても通常時の賑やかさで時間を消費しているんだと。そうは言っても当たらなきゃゲームセンターであっても面白くはありません。結局、パワフルを後にして台移動しました。そんな私を尻目に射駒さんはいわゆるオスイチ(※お座り一発)を隣の「ファンキー7」で決めてご満悦だったのであります。

0.2秒を狙って大当たりを目指す!

 続いて打ったのは盤面上部に「FUJI」と書かれた藤商事の『メガトロン』。’88年に導入された一発台で、当時のパチンコユーザーはこの台を前にすると胸がザワつくそうです。  一発台とは玉が一発、所定の場所に入賞すると大当たりとなり、4000発前後の玉が予定終了まで出てしまう台のことです。『メガトロン』もそんな一発台の1つなのですが、ゲーム性は少々変わっており、盤面中央にある役物の真ん中を玉が通ると、その下にあるベロ状の板が0.2秒×5回飛び出します。その0.2秒の間にサイド役モノを通してベロに吸い込ませれば大当りとなるそうなのですが……。  一瞬だけ水平に飛び出したベロ状の板に玉を吸収させることなんてできるのでしょうか。0.2秒で玉が果たして拾われるのか……。まったくもってイメージができないまま打ち始めると射駒さんがニヤニヤしながら「これは当たるまで時間がかかるやで~」という言葉を残して4台隣に座った数秒後。なんと聞いた説明通りに玉が動き、なんと1発目にして見事大当り!  正直、一瞬過ぎて入ったのかどうかもわからなかったですが、盤面のライトが光っています。ワケがわからないまま右打ちすると、玉がジャンジャンバリバリ溢れ出してきました。射駒さんが奥の方から「マジで!」と驚愕しています。  ただ、なんせ1発目で一瞬の出来事だったため、ちゃんと見るべきところを見ていなかった平成パチンカーは、なんだか損した気分にもなりました。射駒さんの驚きっぷり、そして店員さんの祝福を見ると、よっぽど凄いことだったんだろうなぁと。ラウンド数も払い出し出玉もよくわからないまま大当りランプが消灯したことを確認し、玉を流しに行ったのですが、これもまた衝撃。  今やパーソナルシステムが主流で、おまけにゴト行為防止のために自分で玉を流す行為などとは無縁の平成パチンカーにとって、もはや玉を流す行為すら新鮮だったのであります。
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羽根モノなら大丈夫……のはずが
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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