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平成生まれのパチンコライターが昭和のパチンコを打ってみた

羽根モノならわかると高をくくっていると……

 そして次に移動したのは『ニューモンロー』。セクシーなお姉さんが役物になっている羽根モノで、大当りしたらおっぱいが見られると聞き、鼻息荒らげ打ち始めました。現在のハネモノのゲーム性と大差はないだろうと打ち続けること20分。まるでVゾーンに入りません。鳴きもよく、拾いも良好ですがまるでVゾーンに玉が入らないのです。すると今度は担当編集が登場し、ニヤニヤとウンチクを語り始めました。 セールス森田「いやぁ~全然当たらないんですよ。けっこう釘はイイんですけどねぇ〜」 担当H「この台は1チャッカーからの入賞がほとんどなくて、代わりに2チャッカーからはかなりの高確率でV入賞するの」 セールス森田「2チャッカー……ですか? でも、この2チャッカーは電チューになってて、開かないと玉が入らないじゃないですか」 担当H「そうそう。2チャッカーに入賞させるためには、左上の『GO』って書いてある入賞口に入れなきゃダメなの。だから、この台の釘は左上の『GO』入賞口の釘調整も見なきゃダメなんだよね」  そんなウンチクを聞いていると「GO」に入賞。しかし、電チューは拾わず……。1チャッカーは入賞しても何も嬉しくなく……。しかし、打ち込んでいくウチに気づいたのです。そう、2チャッカーの電チューが開いた瞬間が猛烈に熱いことを。そんなこんなで20分ほど打ち込んだところで、2チャッカーオープンから見事に玉が拾われてあっさり大当たり。

今のコンプライアンスならこの台はアウト!

 さぁここからです。ラウンド中に服が左右に引っ張られて下着が露わになり、ラウンドが終わる毎に下着も脱げます。脱げるというか、取れるという感じではありますが……。全裸になる役物の女性を見ながら、「今ならこんな露骨な性的演出はできないだろうな」なんてことを考えてしまう私。何を見てもコンプライアンスが頭をよぎる、令和時代に染まったつまらない人間になってしまったのかもしれません。
ニューモンロー

今なら絶対にこんな役モノは出せないであろう一台。当時のパチンコ業界からは牧歌的なものを感じた

 パチンコに限らず、昭和の人が「自分達が生きてきた時代が良かった」と語るのは、規制や誰かの目を気にせずに生きられる時代だったから、というのもあるのでしょうか。表情ひとつ変えずに衣服の着脱を繰り返す女性を前に、昭和時代を生きてきた方々が羨む気持ちが芽生えてきました。
たんぽぽ

タンポポでは、手打ち台も設置されており遊ぶことができる。実際打ってみたのですが、ストロークを安定させるのは至難の業。パチプロが腕一本で稼げた時代の象徴である

昭和のパチンコを打ちパチンコの歴史に触れる

 その後も様々な台を打ち続けること5時間。スロットの「世界全滅打法」という攻略法を思う存分堪能する射駒さんに対し、私はどの台もスペックや仕様がわからず苦戦しました。射駒さん曰く、当時は台間に機種説明書なんてものはなく、大当り確率も分からずに打っていた人が多かったとのこと。だからこそパチンコ雑誌が売れていて、パチンコの知識があるライターが稼げていたようです。そうなると、パチンコの在り方は調べればなんでもわかるネット社会が大きく変貌させたということになりますね。
たんぽぽ

昭和の玉貸し機。金額のボタンを押すとその金額分の玉が出てくる。この時の玉の動きは一見の価値あり!

 昭和を知らないパチンコライターからすると、今とはまるで違う店内の雰囲気や、液晶のないシンプルな台を楽しむだけでなく、パチンコの歴史を学ぶことができる場所だと感じました。タンポポはレトロパチンコを楽しむだけでなく、様々な時代の変化を勉強するために、平成生まれのパチンコユーザーも足を運ぶべき空間だと思います。
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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勝SPA!
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