頭脳警察が有人ライブを決行。コロナにもめげない70歳のオーラ
昨年50周年を迎えた、伝説のロックバンド「頭脳警察」。若いメンバー3人を加え、旺盛に活動中である。
今年7月にはドキュメンタリー映画『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』が公開され、コロナに負けずライブも行っている。
そして11月30日には、duo MUSIC EXCHANGE(東京都渋谷区)で、フジロックならぬ「夕刊フジ・ロック <頭脳警察7>コンプリート with BRAINPOLICE UNION」が開催された。新型コロナでエンタメ業界が苦境になるなか、無人でなく観客を迎えたライブだ。
このライブはインターネットで有料配信され、12月6日(日)23時59分までアーカイブ視聴できる。
知らない人のために記しておくと、「頭脳警察」は1970年にPANTAとTOSHIが結成。政治的にラディカルな楽曲で、当時の若者に熱く支持された。だが1975年に早々に解散。1990年に1年だけ再結成し、2001年に再結成された。2009年にはフジロックフェスティバルにも登場した。
今年・2020年は、PANTAとTOSHIが70歳となったメモリアルイヤーだ。11月30日のライブには思い入れがあったのか、PANTAが選んだテーマは「頭脳警察7」。この「頭脳警察7」は、解散から15年の沈黙を経て、1990年のつかの間の再結成でリリースされたアルバムだ。
11月30日のライブ当日。まずは、若い新メンバーのそれぞれのバンド3組が、順に登場。正直、初めて名前を聞いた3組だったが、ロックマニアなら知っているのかもしれない。確かな演奏テクニックで聴かせた。
そのあと、満を持して頭脳警察の2人が、ほとんど真っ暗なステージに現れた。PANTAのギターと歌、TOSHIのドラムとパーカッションは、さすがのオーラを放っている。そして若いメンバーが加わり、「頭脳警察7」の名曲がコンプリートされた。
よく“政治的”だと言われる頭脳警察だが、「関係ねぇだろ、ふざけるんじゃねぇよ てめぇは一体何様だと思ってるんだよ」(Blood Blood Blood)といった歌詞は、今のサラリーマンや若者が聴いても胸がスッとするんじゃないだろうか。
コロナ第3波が襲来するなかでの有人ライブには、細心の予防対策がはかられたそうだ。
PANTAが「頭脳警察として、できる限りの対策をして、みなさんが安心できるような状態でお迎えできるようにしたい」と話したとおり、入場者数を制限し、体温測定や換気も徹底された。
また、ステージの両側から常に煙のようなものが出ていて、スモークでもたいてるのか?と思ったら、除菌のためのミストだった。
これは、会場に設置された空間除菌器「Air Force」から、水成二酸化塩素(Brocken Water)が超音波でドライミストにして噴霧されていたのだ。医療や介護の現場でも使われている除菌器だという。
実は、今年11月1日にジェミニシアター(東京都世田谷区)で開催された頭脳警察ライブで、この「Air Force」が初導入された。コロナで7カ月延期されていたライブが、除菌方法にメドがついたことで実現でき、今回も採用されたのだ。観客の安全はもちろんだが、頭脳警察の2人は70歳だけに、細心のコロナ対策をしてほしいもの。
ライブの間、座ったままのレジェンド2人が、息子ぐらいの年齢のメンバーと競演している姿はカッコよかった。
12月20日には、渋谷Lamamaで、ライブ「UNTIX’nas2020」が開催される。こちらも、同様の感染対策をしたうえで、観客を入れて行われる。PANTAが頭腦警察を結成する前に参加していた、幻のGSバンド「Peanut Butter(ピーナッツバター)」のゲスト参加も予定されているそうだ。
<文/日刊SPA!取材班>
頭脳警察が有人ライブ、ネットでアーカイブ視聴も
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