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北海道「核のごみ」処分場の候補地ってどんな所? 町の住民に本音を聞いた

何もないこの村が発展してくれるなら……

 海岸線まで険しい山が張り出しているため、農業も盛んではなく村の産業といえるのは漁業くらい。それも高齢化が進んでおり、「大歓迎というわけじゃないが処分場によって何もないこの村が発展してくれるのなら……」と語るのは、村で暮らす80代の男性。  役場のある集落では寿都のように処分場反対を訴える看板は見かけなかったが、地元の60代男性は「村には原発関連の仕事に就いている者もいる。不安ながらも理解を示す住民も多い」と説明する。
処分場の候補地とされる村の南側の地域

処分場の候補地とされる村の南側の地域

 確かに、神恵内には海岸線から山側に向かって切れ込んだ場所が何か所か存在し、人がまったく住んでいないところもあった。しかも、この村は2018年9月の胆振東部地震まで震度1以上の揺れを観測したことがなかった地震の少ない土地だとか。

泊原発のPR施設『とまりん館』は意外と楽しい?

とまりん館の館内

とまりん館の館内

とまりん館の館内

見応えがある模型も多かった

 そんな神恵内村からの帰りに立ち寄ったのは、泊原発の近くにある『とまりん館』。ここは原子力をテーマにした原発PR施設。実物大サイズの原子炉の模型など思った以上に見応えがあり、子供向けに遊んで学べるような展示物もいくつもあった。なにより入場料無料だし、家族連れにはよさそうだ。  正直、寿都も神恵内も冬場に来るのはまったくオススメできないが、このエリアは景勝地が多いので夏場や紅葉の季節はドライブや観光にもってこい。寿都はニセコ、神恵内は小樽や余市といったリゾートや観光地からも比較的近いため、コロナが落ち着いたらちょっと足を延ばしてみるのも悪くないかもしれない。<TEXT/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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