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その胸やけ、逆流性食道炎かも? コロナ禍で急増の国民病にご注意

生活習慣の改善と自宅でできるセルフケア

 逆流性食道炎の症状は、胸やけ、呑酸(酸っぱいものがこみ上げてくる)、上腹部の痛み、胃もたれ、おなかの張り、吐き気、食欲不振、喉の違和感、しつこい咳など、実に多彩です。 ・食事をしたあとに胸やけがする、酸っぱいものがこみ上げてくるときには? 「市販の胃薬で胃酸の分泌を抑えたり、水などを飲んで胃液を薄めたりする方法がよく知られています。牛乳を飲むと楽になるとおっしゃる患者さんもいます。  同時に、ベルトや帯をゆるめて腹圧を上げないようにすること。また、食後少なくとも2時間は横にならない生活習慣をつけましょう。炭酸飲料を飲むのは逆効果です。『すっきりするから』と飲みたがる人がいますが、注意しましょう」 ・朝起きたときの胸やけ、口が酸っぱい感じ、喉の不快感、呑酸には? 「私のクリニックに来る患者さんたちは、胃薬を飲んだり、水や牛乳を飲んだり、ガムを噛んだりして対処しています。予防としては、夕食を腹八分目にする、食べてから2時間は横にならない、おなかを締めつけない服装で寝るといったことがあります。  それから、寝る姿勢を変えるという方法もあります。背中に座布団を敷くなどして状態を少し起こして寝たり、左側を下にして寝ると効果があるようです。うつ伏せ寝はおすすめできません」  腹圧を低くすること、胃酸過多にならないようにすることがポイントだそうです。  日常生活では、腹圧を低くする。たとえば、前かがみで重い物を持たない、ベルトをきつく締めない、肥満があれば痩せる努力をすることが大切だとか。  また、適度な運動を心がける、脂っこい食事をなるべく避ける、刺激物をとりすぎない、不規則な生活を避ける、ストレスを溜めないなどを心がけることが必要なのでしょう。 運動

治まらないときは病院で検査を

 そして、いろいろと気をつけても症状が治まらないときは、病院に行って検査することを関さんは勧めています。その理由は、逆流性食道炎は症状が進むと食道がんに変わるケースがあるから。  医師の立場から、「ほかの病気が隠れていると怖いので、とにかくいちど診察させてください」とお願いしたいとおっしゃっています。みなさんが怖がっている胃カメラも、今ではすごく細くなっていて、「あれ? こんなもの?」と思うくらいらしいので、もっと気軽に病院で検査をしてもいいかもしれませんね。 【関 洋介(せき・ようすけ)】 四谷メディカルキューブ・きずの小さな手術センター外科(胃・食道外科)臨床研究管理部部長。 大阪府生まれ。1997年、大阪大学医学部卒。同大学附属病院、医学部消化器外科を経て、豪州フリンダーズ大学消化器外科、米国ミネソタ大学外科、2009年より現職。胃食道逆流症に対する外科治療において、国内屈指の執刀経験を有する。論文執筆、国内・海外での講演、トレーニングコース講師なども多数。著書に『胸やけ、ムカムカ、吐き気、胃痛、げっぷ・・・・・・それ全部、逆流性食道炎です。』(アスコム刊)がある <文/日刊SPA!取材班>
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