恋愛・結婚

リモートワークベビーはコロナ下の思わぬ福音か。夫婦たちの証言

熟年夫婦の仲が復活、年の離れた2人目妊娠も

 中学受験を控える一人息子さんがいる堀田知美さん(仮名・42歳)も、最近妊娠が発覚した一人だ。 「緊急事態宣言後、主人が完全リモートワークになったんです。それまでは3LDKの間取りを、息子の部屋、私の寝室、主人の寝室、と家族一人ずつ使っていたのですが、急遽主人の仕事部屋を作ることになりました」
夫婦

※写真はイメージです

 必然的に、堀田さんの寝室が潰され、ご主人の仕事部屋に。その結果、夫婦が一緒の寝室になったという。結婚から15年超、ずっと寝室を分けてきたという堀田さん。今さら寝床をともにするのは煩わしいと感じてしまいそうだが、なんだかとても嬉しそうだ。 「2人きりで寝るのなんて、10年以上振りだったんですよ。これまでは通勤に1時間半くらいかかっていたんです。今は通勤時間がなく、朝はのんびり過ごせる。息子が学校へ出かけたあと、朝の小一時間が夫婦水入らずの時間です」  来春に生まれてくる赤ちゃんは、上のお子さんと一回り差。堀田さんは、「もう1人子どもができたのは、コロナのおかげもあるのかもしれないですね」と笑っていた。

リモートワークだから不妊治療に専念できる

 出社ベースの働き方が変わったことで、自分の時間を持てたという人は多い。このリモート下は、不妊に向き合う時間になったという人もいる。増田葉子さん(仮名・32歳)は、長らく目を背けてきた不妊治療にトライしてみることになったと話す。 「新卒で入社して10年。これまでがむしゃらに働いてきましたが、少しは自分のために時間を使おうかなと思って……。仕事で忙しいときは病院の予約をとるのも憚られていたので。不妊治療は時間の制約が多いので、フルタイムで働きながら取り組むのは難しいんです」  結婚後すぐ、不妊治療のはじめのステップであるタイミング法を行ったもののうまくいかず、その後の治療は頓挫していた。 「夏頃に夫と話し合い、『まだしばらくはリモートワークが続くよね。だったら腰を据えて治療に専念してみようか』ということに。早く子供ができればベストですけど、あまり焦らず、自分たちのペースでやっていこうと思います」  新型コロナウィルスの流行により、世界的に未曾有の事態に見舞われ、これからの生活に不安が多かった2020年。先を案じて子作りを躊躇する人もいる一方で、リモートワークによって夫婦仲が復活したり、仕事にとらわれない時間の使い方や働き方のなかで、妊娠に向き合えた人もいたようだ。  2021年に誕生する予定の“リモートワークベビー”。彼らが歩き出す頃には、コロナが収束し、自由に外へ出かけられる世界であることを願うばかりだ。
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