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コンビニ各社の「二郎系ラーメン」競争が過熱。夕食難民の増加を背景に

コロナ禍の外出自粛に“おうちで人気店の味”の需要高まる

 ファミリーマートは唐辛子をまぶした揚げ玉(通称“からあげ”)が特徴の「千里眼」とコラボした「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)(税込598円)」だ(※発売地域により一部仕様が異なる)。
ファミリーマート

ファミリーマートの「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)

 白湯ガラベースにニンニクと醤油をきかせ、背脂とラードを加えたコク深いスープ。トッピングはキャベツ、もやし、豚ばらチャーシュー、にんにく、ねぎ、そして“からあげ”まで再現されている。  ファミリーマートの商品担当者が、二郎インスパイア系ラーメンを開発することになったきっかけをこう話す。 「市場的に“濃厚・大盛”キーワードが伸長していたため、男性客層に特化したメニューとして開発いたしました。このタイミングで発売した理由は気温の低下でレンジ麺が伸長する時期であり、コロナ禍で外食しづらい環境のなか、人気店の味が手軽にコンビニで食べられるようにいたしました」(ファミリーマート商品担当、以下同)  販売後の売れ行きはどうなのか。 「ボリューム感・麺のワシワシ感・味のインパクト・カロリーの高さなどネット上でも高評価です。特に関東エリアではランク1位と売れています」

時短営業で“夕食難民”が増加「夕夜間帯の購入者が多い」

 ローソンは全国区の名店「麺屋一燈」とコラボした「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン(税込598円)」(※宮崎・鹿児島地域のローソン、ナチュラルローソンでは非販売)。
ローソン

ローソンの「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」

 チャーシューやニンニクのほか、たまごやネギなどの一般ウケするトッピングも充実しているのがポイントだ。  開発のきっかけについてローソン広報が説明する。 「新型コロナウイルス感染症の影響により外出機会が少なくなっているなかで、『ご自宅にいながら地元の人気店や専門店の味をお楽しみいただきたい』という想いから、全国各地の有名外食企業とコラボした商品を全国のローソン店舗または各地域限定にて販売しています」(ローソン広報、以下同) 「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」は外食企業コラボ商品の一環としての販売だったと話す。2020年10月から展開している人気ラーメン店監修のレンジ麺シリーズは、全国各地の人気ラーメン店40社以上とコラボし累計約630万食を販売するなど好評だそう。  購入者は夕夜間の時間帯多いそうで、ローソン広報は「ご自宅での夕食や飲んだ後の締めのラーメンとして購入されたものと思われます」と推測する。  今年1月に発出された二度目の緊急事態宣言に伴う飲食店の20時閉店の影響だろうか。普段は仕事帰りに外食していた人たちが困り果て、“夕食難民”という言葉も注目を集めた。やはり、行き着く先はコンビニだろう。  各社それぞれの二郎インスパイア系ラーメン。今まで実店舗では「食べきれないかも」「わざわざ並んでまで食べたくない」「“ロット乱し”とか暗黙のルールがコワい」などの理由からチャレンジできなかった人でもコンビニなら気軽に楽しめる。  また、テレワークやマスク着用が普及し、ニンニクの匂いを気にしなくてもいい環境が生まれたことも人気を後押ししているのかもしれない。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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