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ニジマス・江嶋綾恵梨 アイドル活動10周年「オーディションに落ちたら引退だった」

アイドル戦国時代の中で悩み苦しんだ日々

26時のマスカレイド・江嶋綾恵梨 中学3年生になった江嶋は、バレーボールに終止符を打ち、高校進学も推薦を受け、晴れてQunQunのメンバーとしてアイドル活動を本格化させた。だが、世はアイドル戦国時代。福岡では地産地消アイドルが全盛期を迎え、橋本環奈が所属していたRev. from DVL(レブ・フロム・ディーブイエル)も、このころしのぎを削ったグループの一つ。QunQun自体も約60人を抱える大所帯、半年に1回の総選挙で選抜メンバーが入れ替わるという厳しいものだった。  「これだけ人数がいると、キャラが被る女の子が必ず出てくるので、生き残るために毎日ブログを書いたり、“あえりんご”というニックネームにすがって、りんごを持ちながら自撮りしたり、りんごのネックレスを付けたり…この時期はちょっと迷走していたかもしれません」と苦笑い。  人気を可視化する総選挙という魔物。だが、この仕組みが江嶋をさらに進化させる。  「選抜に入れなかったら、絶対に観てもらえないし、顔も覚えてもらえないので、そこで私の中にあった“負けず嫌い”のスイッチが入りましたね。アイドルはただニコニコして、歌って踊っていればいいという考えが完全になくなりました」。  アイドルと真摯に向き合うようになった江嶋は、歌とダンスはもとより、メイクやファッション、美容などにも気を遣うようになり、女子力もぐんぐんアップ。SNSなどにもいち早く取り組んで、選抜の常連となる。 26時のマスカレイド・江嶋綾恵梨 ところが、そこで大きな壁にぶち当たる。「選抜に入っても、マイクを持てるのは6人程度。しかもイベントによっては、歌える人数が制限され、4人しか歌えないとか、そういう場面が結構あったんです。そのころ私は、ダンスだけでなく、“歌う楽しさ”にどんどん目覚めていった時期で、それができないことがとにかく悔しくて。ライブで確実に歌うためにはもっと総選挙をがんばらなければいけない、という思いがさらに強まったのですが、その反面、票集めに時間を費やしているこの時間は何なのだろう?と考えるようにもなったんです」。  最初の扉はダンスだったが、アイドル活動を続ける中で、歌の楽しさを知った江嶋。徐々にやりたいことが明確になった彼女は、ここでまた、新たな決断を下す。

ソロ活動を経てアイドルの理想形“ニジマス”へ

アニバーサリーブック『memorial.』収録カット

アニバーサリーブック『memorial.』収録カット

 QunQunを卒業した江嶋は、エイベックス・アーティストアカデミー福岡校のボーカル&ダンスコ―スに入学し、歌とダンスをもう一度、基礎から学ぶことに。  「ここはヴィジュアルやキャラではなく、歌のうまさ、ダンスのうまさで評価され、実力でランクが付けられる世界。自分ができなければランクは下がるし、上のクラスへはなかなか行けないという、総選挙とはまた違った厳しさがありました。でも、確実にスキルは上がるし、授業も楽しかったし、同じ切磋琢磨でも、こちらの方が自分には合っていた気がしますね」と述懐する。  票集めに気を取られることなく、歌やダンスをじっくり学べた江嶋。スクール生活は思いのほか順調だったが、ずっと生徒でいるわけにはいかない、という人生の分岐点が再び迫り来る。  「スクール内のオーディションでユニット(LEGIT)のメンバーに選んでいただいて、久々にグループでやる楽しさを感じたり、ソロ歌手として好きな歌を好きなだけ歌ったり、そのころは、アーティスト感覚で、迷いながらも両方のいいとこ取りをして楽しんでいた時期ですね。でも、QunQunをやめたことにどこか心残りがあるのか、『最近、あの子見ないけど、何してるの?』って言われるのが凄く嫌で。年齢も20歳になり、これがラストチャンスということもあったので、ちゃんと歌える環境があるなら、もう一度アイドルグループとしてやってみたい、という思いが自然と湧いてきたんです」。  そして巡ってきた最大のチャンス。舞台は憧れの東京、のちにニジマス結成の扉を開く“読モBOYS&GIRLS×Zipperアイドルオーディション”だ。
アニバーサリーブック『memorial.』収録カット

アニバーサリーブック『memorial.』収録カット

 「本当にこれが最後。ダメだったら、芸能をキッパリやめて、普通のお仕事をしようと決意して臨みました」と当時を振り返る江嶋。落ちたら終わり、まさに背水の陣で挑んだオーディションは、異色のトライだった。  「特技が全くない私は、自己PRが鬼門でしたが、今回は、いろいろ悩んだ結果、筆で詩やイラストを色紙に描くという、ソロ活動の時にやっていた企画を持ち込んでアピールしました。今やれと言われたら、とてもじゃないですが恥ずかしくてできませんが、その時は『絶対に落ちたくない!』という思いが強すぎて(笑)。他にこんなことする子がいなかったせいか目に留めていただいてようで、なんとか合格することができました」。  もちろん、特技だけでなく、歌やダンスなどパフォーマンスも評価されての合格だと思うが、それにしても、ここ一番のオーディションで江嶋は必ず結果を残す。勝負強さも彼女の才能の一つと言えるだろう。    ニジマスの第一期生として立ち上げから参加し、今ではリーダーを務めるまでに成長した江嶋。後編のインタビューでは、メンバーへの思いとともに、これからのニジマスについて、そして江嶋自身について、たっぷりと語っていただいた。乞うご期待! 取材・文:坂田正樹 撮影:林紘輝
広告制作会社、洋画ビデオ宣伝、CS放送広報誌の編集を経て、フリーライターに。国内外の映画、ドラマを中心に、インタビュー記事、コラム、レビューなどを各メディアに寄稿。2022年4月には、エンタメの「舞台裏」を学ぶライブラーニングサイト「バックヤード・コム」を立ち上げ、現在は編集長として、ライターとして、多忙な日々を送る。(Twitterアカウント::@Backyard_com)
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江嶋綾恵梨 Aeri Ejima 10th Anniversary Book『memorial.』/江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)10thアニバーサリーブック

江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)アイドル活動10周年記念アニバーサリーブック

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