更新日:2021年03月30日 15:51
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コロナ禍のパチンコ、なぜ悪者にされた? 98.7%のホールが休業したのに

ワイドショーによる報道が火に油を注ぐ

パチンコ

感染予防の徹底を謳い緊急事態宣言下でも営業を続けたパチンコ店。結局、パチンコ店ではクラスターなど、集団感染は起きていない

 共著の大崎一万発氏はパチンコ業界のバッシングを招いた要因は、テレビのワイドショーにあったと指摘する。 「営業してるのは全体のわずか1.3%なのに、それがパチンコ屋の体質みたいに思われてもなぁ。で、ここまでの一連が、サンモニ(※TBSのサンデーモーニング)の報道から3週間も経ってないわけよ。マスコミの煽り、世間の鬱屈した不安、小池さんの名指し、この3つが要因となって、急激にバッシングが燃え上がったんだよね」  ヤング氏も報道のされ方について疑問を呈する。 「これまた面白おかしく報道されたよな。都内のパチンコ屋が休業になった時、意識低い系のパチンコ客が東京を脱出して、茨城や栃木の営業店舗にこぞって打ちに行った。駐車場には東京ナンバーの車がズラーっと……。金髪ネックレスの、いかにも輩っぽいルックスの客が『え、コロナ? 関係ねぇっスよ』みたいな映像が使われて。いかにもパチンコ打ちはこういう奴みたいな感じで、あれ絶対客を選んでコメント取ってるよな」

群集心理の怖さ

 その後、迷惑系YouTuberなどの登場や、ワイドショーに出演するコメンテーターの誤った認識による発言などにより、緊急事態宣言下のパチンコ業界に吹き荒れたバッシングはますます過熱した。こうした状況をヤング氏は危機感を持って見つめていた。 「大げさだって言われるかもしんないけど、関連して思ったのは、関東大震災の際の朝鮮人虐殺のこと。朝鮮人が井戸に毒を入れたってデマが流れて、それを真に受けた一般市民によるリンチと虐殺があったんだけど、ついそのことを思い出してすごく怖くなった。こういう状況になったとき、群集心理で平気でこんなことできるのが日本人なんだなって」  大崎氏は「心理として、悪いことはコミュニティ外のせいにしたくなるっていうのはあるかもな」と指摘する。ヤング氏は大袈裟と語るが、果たしてそれは本当に杞憂で終わるのだろうか。
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民度の低い客とバッシング
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日刊SPA!編集。SPA!本誌では谷繁元信氏が中日ドラゴンズ監督時代に連載した『俺の職場に天才はいらない』、サッカー小野伸二氏の連載『小野伸二40歳「好きなことで生きてきた~信念のつくり方~』、大谷翔平選手初の書籍となった『大谷翔平二刀流 その軌跡と挑戦』など数多くのスポーツ選手の取材や記事を担当。他にもグルメ、公営競技の記事を取材、担当している

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パチンコ崩壊論

コロナがパチンコ業界にもたらしたもの、変えたものとは一体何だったのか。
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