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電子レンジで“おいしく米を炊く”方法。鍋で炊くご飯に匹敵するうまさ

“お米がおいしく食べられる”理由を研究した

 では、このレンジ炊飯はいったいどのような経緯で発明されたのだろうか。 「私は、料理をする際の『なぜそれをするのか』『なぜおいしいのか』を理論的に組み立ててレシピを作っています。  そして、電子レンジはマイクロ波という電磁波で水分子の電荷を入れ替えて熱エネルギーを発生させる装置なので、『レンジ出力と食材の重さによって食材を何℃上昇させるのか』がわかれば、お米を炊くことができる加熱時間を算出できるのではないかと思いました。  お米がおいしく食べられる状態になるには、米と水分を短時間で100℃に上昇させ、約20分その温度で保温する必要があるため、その前提のもと試行錯誤した結果、このレンジ炊飯を編み出すことができたというわけです」  大西さんのシェフとしての探求心とチャレンジ精神には驚きだ。

レンジには個体差もあるので微調整を

 最後にレンジ炊飯で炊く際の注意点を教えてもらった。 「レンジ出力や食材の量によってレンジの加熱量が変わり、加熱不足や吹きこぼれ、水分の飛び過ぎになる恐れがあります。また、レンジには個体差もあるので、自分なりのベストを模索しながら料理を楽しんでもらいたいです」
 市販のレトルトご飯パックと比べたらコスパもはるかに良い。炊飯器を持っていなくて購入を検討している方は、まずこのレンジ炊飯を試してから購入を決心しても遅くはないだろう。<取材・文/二階堂銀河(A4studio)>
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