静電気の「ピリッ」は新しい生活様式で増えた? 静電気学会に聞く
我々は日々、コロナ対策として「手洗い」を意識するようになった。しかし、水道で手を洗おうとしたときや、ドアノブに触れた瞬間、静電気で「ピリッ」とすることが増えた気もする。もしかすると、「手洗いの増加」と「静電気の発生」に何かしら因果関係があるからなのだろうか。一般社団法人 静電気学会に質問してみた。
コロナ禍における「新しい生活様式」の基本として、以前よりも手洗いが習慣化されたが、静電気が発生しやすいということはあるのだろうか。千葉大学名誉教授で静電気学会元会長の山野芳昭氏が話す。
「一般的に言えば、日常生活の中で人に帯電する静電気は、イスに座っている状態から立ち上がるときの衣服とイスの接触と剥離、衣服のこすれ、あるいは歩行時、靴底と床の接触と剥離によって生じます。
静電気の発生過程において、手のひらは関係しておらず、手洗いの習慣化で静電気が発生しやすくなるということはありません」(山野芳昭氏、以下同)
大量に静電気が発生するのは、物がくっついたり、離れたりしたとき。そして、次に電気を通しやすい物に触れるといっきに放電。それが、あの「ピリッ」とした痛みの正体なのだ。
手洗い自体は静電気の「発生」とは無関係。とはいえ、手洗いを多くするようになったことで手のひらの油分が奪われ、乾燥しやすくなるはずだ。乾燥する季節は静電気が発生しやすいイメージもある。
山野氏によれば、水は電気を通すため、人体にたまった静電気は自然と空気中に漏れる。しかし乾燥した季節には、空気中の水分に帯電した静電気が逃げないため、急に放電してしまう機会が増えるという。
では、手洗いによって手が乾燥した結果、いっきに放電しやすくなることは?
「もちろん、手を石けんで洗って、水や汗を含んだ導電性の汚れが落ちれば静電気を漏洩しにくくなるので、放電しやすくなるケースもあると思います」
手洗いが増えた=静電気が「発生」しやすいとは言えないが…
「放電」しやすくなるケースもある
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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