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静電気の「ピリッ」は新しい生活様式で増えた? 静電気学会に聞く

車は電車よりも静電気が発生しやすい

車

「車から降りるときに人体と車体の間で静電気が放電することがよくある」と山野氏

 コロナの影響で密を避けるため、電車ではなく車移動をする機会が増えたはずだ。山野氏によれば、電車に比べて車は静電気が発生しやすいのだとか。 「特に冬場だと、車から降りるときに人体と車体の間で静電気が放電することがよくあります。衣服と車のシート面との間で帯電しており、両者が離れるときに電圧が高くなるのです。  一方、電車の場合は、立っていれば静電気は発生しません。座席に座っているならば、そこから立ち上がるときに静電気は発生しますが、電車のシートには汚れがあり、水分が吸着しているので、そもそも帯電しにくいかもしれません。  また、車内に人が大勢いて湿度が高い場合は、座席のシートや衣服に水分が付着するので、静電気は発生しにくくなります」  可能性として、手洗いにより乾燥しやすくなったこと、電車よりも車移動が増えたことが要因で、静電気を感じやすくなっていたことが考えられる。

静電気対策に「木材の湿気」を活用しよう

 原因はなんとなく見えてきたが、こうした静電気の放電を防ぐ方法はあるのだろうか。 「ケースバイケースですが、衣服に湿気を含ませること、市販されている静電気防止スプレーなどがいいのではないでしょうか。あるいは、ドアノブなどを触る前に木材に触れましょう。木材は水分を含んでいますので、人体の静電気を逃がしやすく、ショックが弱くなるはずです」  やはりあの突然襲ってくる「ピリッ」とした痛みはできるだけ避けたいもの。静電気防止スプレーを持ち歩くのはやや面倒かもしれないが、木製のキーホルダーなどであれば、車のキーにも付けておける。直接手でドアノブを触れる前に、木の部分を介してドアノブに触れると痛みは弱くなるはず。静電気と上手に付き合って生活していきたい。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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