仕事

60歳以上の会社員100人に聞いた「働き続ける理由」。年金だけでは暮らしていけない

企業側は負担?

 では、シニア人材について企業側はどう思っているのだろうか。シニアの派遣紹介を行う高齢社の前社長・緒形憲氏はこう語る。 「正直、企業側は『高齢者は仕事ができないので、採用は控えたい』と考える風潮は強いです。だから、65歳の雇用義務でも大変なのに、70歳まで雇用の努力義務が課せられ、負担に感じる企業も多いはず。継続雇用であっても、65歳から給料が減り、権限や裁量がなくなれば、誰もがモチベーションが下がって扱いづらくなる。定年後も働くなら、役職や給与に関係なく『社会と関わりたい』、『人の役に立っている』とやりがいを持てる人でないと、企業側も受け入れにくいですね」

どんな人材に需要がある?

 では、実際にどんな人材に需要があるのだろうか。 「従来は建設・警備・清掃・介護などの現業職が多かったのですが、最近はシニア需要も営業・技術・管理・事務など幅が広がっています。また、テレワーク導入で、シニア活用は今後さらに進むでしょう」(原氏)  受け入れは進むにせよ、高齢者労働人口が増えていけば、働き口を取り合う可能性も。そこで負けないために大事なことは? 「シニア人材が弱いところはデジタル。いまだにガラケー、FAX、郵送でしか連絡を取れない人も多い。デジタル機器の操作方法は、アップデートし続けましょう。あとは、経歴を自慢せず、謙虚な姿勢も大切です」(緒形氏)
老後も働く

原 正紀氏

【原 正紀氏】 クオリティ・オブ・ライフ 代表取締役社長。近著に『定年後の仕事は40代で決めなさい 逃げ切れない世代のキャリア改造計画』(徳間書店)など 老後も働く【大江英樹氏】 経済コラムニスト。オフィス・リベルタス代表。証券会社を経て、独立。近著に『いつからでも始められる 一生お金で困らない人生の過ごしかた』(すばる舎) 老後も働く【緒形 憲氏】 60歳以上のシニア人材専門の派遣会社・高齢社の前社長。東京ガス、子会社社長を経て、定年退職後’15年末から高齢社に。現在登録者数は1000人を超える <取材・文/週刊SPA!編集部>
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