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日本一ラーメンを食べた男の冷凍ラーメンはうまいのか? 実食してみた

生醤油と再仕込醤油のブレンドでスープに深みを

キンレイ 醤油

左が再仕込醤油、右が生醤油

 醤油にもこだわりが見られた。生醤油(なましょうゆ)と再仕込醤油をブレンドしているからだ。再仕込醤油とは、醤油で醤油を再び熟成(仕込む)する製法であり、コストも時間も一般的な醤油の倍ほどかかる。一方、生醤油(なましょうゆ)とは字のとおり、加熱殺菌を行わないフレッシュな醤油だ。  実食の際、キンレイから両方の醤油をいただいたので比べてみた。どちらも東京ラーメンらしく塩気がキツいが、再仕込醤油の方が若干まろやかな感じがした。ちなみに上の醤油は筆者がふだん使っている濃い口。両者の中間的な風味であった。  スープは前日に食べたリアル店舗と遜色ない。逆に、キンレイのスープの方が濃厚さと上品さでは勝っていたように感じた。なお醤油は産地もブレンドも企業秘密だという。
キンレイ 麺

麺のコシは…

「麺には小麦粉の味がしっかりと出る全粒粉を配合し、全卵粉末も加えるとことで、味わいとコシの強さを出しています」とのこと。実際、食べてみると、これまで食べたキンレイの冷凍ラーメンの麺よりも、コシがあるように感じた。小麦の風味までは伝わってこなかったが、麺の色も全粒粉らしく、茶色がかっている。ただこれは単にスープに絡んで変色しただけかもしれない。

チャーシューは豚よりも鶏派

 チャーシューは、東京ラーメンのトレンドを反映し、豚チャーシューだけでなく、鶏チャーシューもトッピング。冷凍ラーメンでありながら、チャーシューが2枚乗る豪華さはうれしく感じた。  率直な感想として、豚チャーシューの味は悪くないが、厚みが乏しく、ハムを食べているよう。もう少し、大胆なカットでもよいと感じた。一方、鶏チャーシューはさっぱりした味だろうとの先入観で口に運ぶと、いやいやどうして。チャーシューらしく、旨味がしっかりと凝縮されていて、うまい! 逆に鶏チャーシューは厚いとボサボサ感が出るだろうから、この程度の薄さでちょうどいいのかも。 「これまで20年近くラーメン開発に携わり、何十種類ものラーメンの監修をしてきましたが、大抵はコストという壁に負け、こだわりを妥協してしまう。でもキンレイさんはそれがない。さすがに今回はこだわりが多かったので妥協もしくは価格が上がるかと思いましたが、どちらもなく驚きました」(大崎氏)  ちなみに今回の商品の実売価格は270~300円。筆者が食べたリアル店舗では600円であった。前回の取材時にはキンレイのお水がいらないシリーズは1億食を突破した直後であったが、そこから1年も経たないうちに、1億3000万食を突破。自宅でズボラにラーメンを食したい、そんなニーズにマッチしているのかもしれない。 <文/杉山忠義>
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