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賢い盲導犬も「家では普通のワンちゃん」。全盲の使用者が語るリアルな生活

視覚障がい者や盲導犬との接し方を多くの人に知ってもらえるチャンスがある現代に感謝

目の見えないじゅんじゅんと盲導犬ヴィヴィッドのポケットチャンネル

画像は、YouTube「目の見えないじゅんじゅんと盲導犬ヴィヴィッドのポケットチャンネル」より

 浅井さんに今後の活動の展望を伺うと、「とにかくもっと知ってほしいというのが一番」との答えが返ってきた。 「小学校などにゲストティーチャーとして招かれることもあるのですが、そこでは電車に乗っているところやレストランなどに入るところなどを見せられず、お話だけになってしまうので、子どもたちの記憶には残りません。  なので、私のYouTubeチャンネル『目の見えないじゅんじゅんと盲導犬ヴィヴィッドのポケットチャンネル』は小学生、特に3年生を対象としています。子どもたちに私の生活の様子を見ていただき、盲導犬との生活が普通の出来事なんだと思ってもらうことで、今後の盲導犬との接し方が変わっていくと信じています。  また、視覚障がい者にどう声をかけていいかわからないという方もたくさんいらっしゃると思います。ですので、声の掛け方などもすべて動画として配信しています。でも、真面目なものだけじゃなくて、“こんなに楽しく生活をしているんだよ!”ということを知ってほしいと思い、いつも動画を制作しているんです」

高齢化社会で目の不自由な人が増えてくるかもしれない

 浅井さんがこう考えるのは自身が当事者であるからというだけでなく、日本の高齢化社会をリアルに想像しているからでもある。 「高齢化社会で今後は目の不自由な方、見えにくい方が増えてくる可能性があります。そうなったときに、私が発信していたことによっていろいろなテクノロジーや、生活しやすいものが発明されて、少しでも快適に暮らせる人が増えていたら嬉しいです」 ——目の不自由な人と接する機会はいつ訪れるか分からない。それは明日の外出先でかもしれないし、身近な人がそうなる日がくるのかもしれないが、みんながより良く暮らしていくために、知っておくべきことがたくさんあるのだろう。<取材・文/A4studio>
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