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“コロナうつ”はなぜ起きる? 定期的に点検しておきたい居場所とは

そもそも「うつ病の成因」になりやすいものとは?

うつ病 うつ病は、誰でもかかる可能性があると言われる。岡氏は、「そもそも過大なストレスや転職、環境の変化、離別、死別の喪失体験などはうつ病の成因となりやすい」と語る。 「つまり、コロナ禍はうつになりやすい条件をいくつも備えているのです。私たちは今、働く環境が変わったり、身近な人や著名人を喪失する体験をしたりしています。他人事にせず、みんなが気をつけておいたほうがいい状況です。  特に、孤立していると、日々更新されていく感染状況、緊急事態宣言などのニュースがどんどん入ってきて、飲まれてしまいやすいので、より注意が必要です」  冒頭に記した通り、日本では、孤独・孤立対策担当大臣のポストが新設されたばかりだ。私たちはいま改めて、孤独・孤立とメンタルケアに、どう向き合っていけばいいのだろうか。 「まずは医療機関を検討してほしいですが、病院はあくまで『検査』『診断』『治療』を行う場所であることも事実です。『福祉につなぐこと』や『支援を受けること』まで行なってくれるかどうかは、その病院の余力次第となってしまっている現状があります。  私自身、医師として医療機関だけで働いていて支援が滞っていることに課題を感じたことから、精神科訪問看護事業やメディア事業を立ち上げている最中です。ご自分の住んでいる地域で、頼れる資源を確認してみてください」

「拠りどころの定期点検」を

 自己責任論が根強い社会で、医療や福祉、地域、そしてインターネットなどを介して、手を伸ばしてくれる人も実はいる。岡氏は、頼っている人や物などの「拠りどころの定期点検」を勧める。 「避難訓練と同じように、定期的に『拠りどころの定期点検』をするのがいいのではないでしょうか。自分が普段どんなものや人に頼って生きているか。つまり、当たり前に思っている道路や電気・ガス・水道、交通などのインフラ、そしていざというとき相談できる人、場所などです。  点検をして、何かあったときの備えをしておくことで、不安を少し抑えられるかもしれません。また、拠りどころになるような人が思い当たらない場合には、人間関係を見直す必要もあるでしょう。不調になる前に相談できる相手を見つけておくこと、安心できる空間を持っていることで、孤立しないことが大事です」
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「誰かを頼ることを恐れないでほしい」
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