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“コロナうつ”はなぜ起きる? 定期的に点検しておきたい居場所とは

 終わりの見えないコロナ禍が、人々の「孤独・孤立」を深めている。
うつ病

写真はイメージです(以下同)

 ただしそれは、今に始まった問題ではない。高齢の独居男性のうち、6.8人に1人が、2週間に1回以下しか会話をしていないことが明らかになっている(※1)。また、60歳以上の独居者のうち4割以上が孤独死を身近に感じているという(※2)。  そうした状況も踏まえ、日本政府は2021年、イギリスに続いて世界で2カ国目となる「孤独・孤立担当大臣」のポストを新設したばかりだ。  孤独・孤立は、私たちのメンタルヘルスをじわじわと蝕んでいく。これから私たちは、孤独・孤立とどう向き合っていけばいいのだろうか。不安障害と発達障害を専門とする医師の岡琢哉氏に話を聞いた。 ※1 国立社会保障・人口問題研究所『生活と支え合いに関する調査』2017年 ※2 内閣府『高齢社会白書』2018年

「相談=アドバイスをもらうこと」とは限らない

 メンタルヘルスの不調を自覚するのは難しい。自覚できたとしても、病院にかかったり、誰かに相談したりするのもまた、難しい。しかし、いざというときに人間関係が希薄だと、問題が肥大化してしまう。 「確かに、相談はとても難しいことです。自分の弱さを見せるのは勇気が要りますから。ただ、本当に困っている瞬間は、誰かに吐き出すだけでいいんです。アドバイスを受け取る余裕がないときでも、吐き出したときに『大変だったね』と一言もらえるだけで心が軽くなることもあります。困っていることを整理したり、自分にはない選択肢が見つかることもあります。 『俺は孤立していてもいい』というような意見もありますし、実際にそれでもなんとかなる人もいるのだと思います。一方で、情報に敏感な傾向があったり、つながりが持てなくて苦しんでいる人には、やはりつながりがあるべきだと精神科医としては思います」

不調のサインはどのように感知すべき?

 不調のサインは、どのように感知すればいいのだろうか。 「心理的には恐怖感や嫌悪感、気持ち悪さ、身体的には動悸や冷や汗、頭痛・腹痛といった症状が現れることがあります。震災やパンデミックといった緊急事態は、生物として脅威に晒される状況なので、強い不安を感じるのは当然の反応です。  しかし、コロナ禍や震災などで不調を感じる場合、目安として1ヶ月以上続くようであれば、精神医学の診断基準に照らし合わせるとPTSD(外傷後ストレス障害)の可能性が出てくるので、より注意が必要になってきます。1ヶ月程度よりも短く不調がおさまるようなら、急性ストレス障害の可能性もあります。  心理面、身体面の不調を強く感じたら、まずは信頼できる第三者や行政機関に相談し、医療機関にかかることも考慮してください。それらは、治療が必要な状態である可能性もあります」
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そもそも「うつ病の成因」になりやすいものとは?
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