仕事

経営難で新入社員も希望退職者募集の対象に「転職先が見つからず」

父親の友人の会社にコネ入社

履歴書 就職先が決まったかを聞かれ、何も答えられずにいると父親から「知り合いに建設会社を経営している友人がいるんだが、そこで働いてみる気はないか?」と思わぬ提案。親には頼りたくないとの葛藤はあったものの、突っぱねられるほどの余裕もなく、頭を下げてお願いすることに。  すると、その数日後に面接を受けることになって無事に採用。退職から2か月が経ったがようやくリスタートすることができた。 「社長は父の古い友人で、あまり覚えていないのですが子供のころに何度かウチにも遊びに来たことがあったそうです。『次の仕事が決まるまでの繋ぎでもいいぞ』と言ってくれましたが、コネ入社までさせてもらって腰掛けで働くほど恩知らずなことはできません。紹介してくれた父の顔に泥を塗ることになりますし、まだ3か月の試用期間がようやく過ぎたところですが、この会社で骨を埋めるくらいの気持ちで働くつもりです」

希望外の職種だったが、今はこの会社でずっと働きたい

 デスクワークではなく現場作業のため、慣れない重労働で毎日ヘトヘトだが、働いているという充実感はあるとか。 「前の職場では入社していきなり休業でしたし、営業を再開してもヒマでやることも少なく、仕事をしているという感覚は最後までほとんどありませんでした。その点、今の会社はこんな状況にならなければ絶対に就かなかった希望外の職種です。毎日汗と埃まみれですが、社長や先輩たちもいい人ばかり。これも縁なのかなと前向きに捉えるようにしています。まあ、ホテル時代よりも給料が多いっていうのも大きいですけどね(笑)」  このコロナ禍では転職先を見つけるのは簡単なことではない。そんな選り好みができる状況ではなく、雇ってくれるならどこでも構わないという気持ちの人も多いだろう。しかし、なかにはそこでずっと働き続ける可能性だってある。仮に希望する業界や職種でなかったとしても一生働き続けたいと思える職場に出会いたいものだ。 <取材・文/トシタカマサ>
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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