米国で見知らぬ他人の家に泊まるサービスが人気
―[全米超人気サイトの実力判定]―
このところ、アメリカで急速に浸透しているのが「CtoCサービス」、すなわち消費者(Customer)間での取引をサポートするサービスだ。
「物販サイトでは、取扱品を<クラフト>、すなわちアクセサリーやバッグなどの手づくり工芸品に限定した『Etsy』が、女性たちから絶大な支持を得ていますね。ユニークなのは『Airbnb』。一見、よくあるホテル予約サイトですが、宿泊先はなんと<一般人の自宅>! 自分が留守にしている期間中、家を他人に貸したいという人が、このサイトを通じて宿泊者を募るんです。ニューヨークだとホテル代の相場が1泊200ドル~と高額ですから、安価で宿泊できるのは旅行者にとってもメリット大。海外からの利用者も多いですね」(在米ジャーナリスト・加藤靖子氏)
スマートフォンに超小型のカードリーダーを装着することで自分のケータイがクレジットカード決済機に変わるという「Square」にも注目だ。キャッシュを持たずとも、金銭のやりとりがその場で可能に。飲み会で皆が万札しか持ってない!なんてときは、幹事のスマホでカード払い……なんて、まさしくスマートではないか。
ほかにも、小売りビジネスでは、高級衣料を扱う『Gilt』をはじめ、ブランド品が格安で購入できる招待制のショッピングサイトが人気を集めている。これらのサイトでは、3日間などの期間限定で、毎日のように新しいセールを開催しているのが特徴。消費者を飽きさせないうえ、あくまで期間限定なので、ディスカウントを行ってもブランドのイメージを損なわずに済むというわけだ。
Giltは’09年に日本進出を果たしており、女性を中心に支持を集めている。アメリカ発のITサービスは、これからも日本を賑わせてくれそうだ。
【Etsy】
手作り品に特化した「楽天」みたいなショッピングモール。小学校のバザーあたりを連想するかもしれないが「作家による一点もの」が買えるサイトと考えたほうが正しい。「家具などが安価で買えるのも魅力なのですが、個人が大型商品を発送する際、日本では送料がかかりすぎるのがネック」
http://www.etsy.com/
【airbnb】
ホームステイ感覚で「ジモティ」の家に泊まることができるというユニークなサービス。見知らぬ他人の家に泊まるなんてどうなの?と思ってしまうが、レビューなどで、ある程度の危険は回避できる様子。東京でも部屋を貸している人がちらほら見られた。昨年12月、累計500万泊を達成
http://www.airbnb.com/
【Square】
500円玉大のカードリーダーを、スマートフォンやタブレットPCに装着するとクレジットカード決済機に。日本でもサービスが始まるなら、電子マネーの延長として浸透しそう。「立て替えといて」と言われた飲み代を、後で請求できなくて泣いた……なんて悲劇ともおさらばだ!
https://squareup.com/
【加藤靖子氏】
在米ジャーナリスト。日経ビジネスニューヨーク支局編集部勤務を経て、’10年から在米ジャーナリストとして活躍。テクノロジー関連に強い
取材・文/編集部
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