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コロナ移住失敗組の憂鬱。リモートワーク縮小で「引っ越さなければよかった……」との声も

治安や環境の悪さを嘆く人々も

コロナ移住

3回目の緊急事態宣言が発令されたが、都心の通勤ラッシュは減らない 写真/時事通信社

 移住者にとって肩透かしだったのはリモートワークの縮小だけではない。郊外暮らしに対して思い描いていたイメージと現実のギャップに戸惑う人も少なくないのだ。3月に、都内から埼玉県某市に移住したばかりの会社員の女性(36歳)はため息を漏らす。 「自然溢れるところでのびのび子育てしたいけど、夫も私も週3以上は出勤の必要があり、都心からほどよい距離のこの地を選びました。しかし、移住してみると幹線道路には大型トラックが排ガスをまき散らしながらバンバン通っていて都内より空気が悪い。さらに近くに産廃処理場の建設計画があるらしい……。最寄り駅から徒歩20分ですが、夜は暗くて人通りも少なく、殺伐としていて怖い」  もう一人、治安の差を嘆く男性がいる。神奈川県某市に移住したIT企業の会社員(34歳)だ。 「駅から近い広めのワンルームに住んでいるんですが、夜はとにかく喧嘩が多く、イカツい風貌のお兄さんたちが闊歩している。キャバクラが多いんです、ここは。また海に近いこともあり、週末の夜は暴走族のバイクの音もうるさい。都内に住んでいた頃と環境がガラっと変わり、ストレスが溜まって不眠気味になりました」

近郊都市であっても閉鎖的なところがある

 移住のメリットのひとつとされるのが生活コストの削減だ。しかし前出の三浦市に移住した男性の話を聞くと、現実は違うようだ。 「車社会であることはわかっていましたが、私と妻で2台ないと不便なことは想定外だった。家賃は以前の半額程度になったけど、駐車場代も維持費も2台分かかります。結局、都内に住んでいる頃と出費は変わらなくなった」  さらに家族が病んでしまって家庭崩壊の危機にあるのは、前出の秦野市に移住した男性だ。 「小学校5年生の娘が転校してから休みがちになってしまった。リモートワーク中も、娘が家にいる日は妻が『移住したせいよ』と常に責めてくるので喧嘩ばかり。僕も精神的に参ってますよ」
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結局、移住者は短い祭りに踊らされただけだった!?
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