更新日:2021年05月17日 22:10
ライフ

有名ラーメン店のロゴ。その制作秘話をラーメンイラストレーターに聞いた

コンビニでみかける「くじら食堂」のロゴも

くじら食堂

くじら食堂のロゴ

 最近は、カップ麺としてコンビニでもみかける「くじら食堂」のロゴも青木さんが手がけているんですよね。 「くじら食堂の店主さんと話していると、都会的なスタイリッシュさより地方の老舗のような雰囲気を目指しているなと感じたんですね。だから、筆文字で力強く描いたんです。言われないとわからないと思うんですが、くじらの『く』の字をよく見てもらうと、マッコウクジラがジャンプしたかたちになってるんですよね」  あ、確かにくじら食堂さんの『く』はマッコウクジラですね(笑)。他に、気づいた人だけニヤッとできるデザインはあったりしますか。 「西尾中華そばというお店のロゴですね。あのロゴは、スープに出汁として使われている鶏と魚、麺に粉として使われているトウモロコシを描いたんですね。鶏と魚を見ていただきたいんですが、『西尾』中華そばなので、尾が西(左)を向くように描いてます(笑)。そのロゴを見るのは、お客さんであることはもちろんなんですけど、一番見るのは店主さんや店員さんなんですよね。だから、その方々にとって思い入れのあるものを作ろうと思っています」
西尾中華そば

西尾中華そばのロゴ

 こうした細かな部分への思いが青木さんのデザインポリシーなのだろう。そこからは青木さんのデザイナーとしての心意気、そしてラーメン好きとしての思いが伝わってくる。

ラーメンイラストレーターとして喜びの瞬間

 ラーメンイラストレーター……この仕事で、喜びを感じる時はどんな瞬間でしょうか。 「ロゴが出来上がった時は、自分なりに満足しますけど、お店が開店してから1年くらいは、そのお店がうまく行くかどうか不安でしょうがないんですよ。ラーメン店は競争が激しいので、1年経たずに閉店する店も多いですからね。10年残る店は1割もないと言われている世界なので『お店の売り上げがあがりました』とか『常連様が増えた』という話を聴けた時は嬉しいですね」  ラーメン店の成長こそが喜びなんですね。 「そうですね。ユニフォームの追加発注が来ると、従業員が増えているということなので、まだまだ順調なんだなって、嬉しく感じます」
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ロゴを見ながら楽しむラーメン
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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