更新日:2021年05月29日 18:05
エンタメ

『街録ch』三谷三四郎×大森靖子 人の人生のオチは「死」しかない

「編集」でオチは作らない

――インタビューの際に意識していることってなんですか? 三谷:これもテレビ番組制作のときのクセなんですが、「わからないことをなくす」っていうのは心がけてますね。インタビューした人の会話から、“こういうことが起きました、そこからいろいろあって現在はこうなっています”っていう趣旨のVTRを作ると、「え、いろいろの部分は説明されてないじゃん」って、“使えないヤツ”認定されるんです。 だからこちらで編集してオチは作らず、本人の口から言ってもらったものですべて構成するようにしています。もともと、僕は“おばさん気質”みたいなところがあって、高校生のとき、4時間ぐらいサイゼリヤで女子同士の悪口を聞いてられる人だったんですよ。だから話が脱線したところで全然苦じゃないし、余談の中に面白さがあると思ってるんで。 大森:結局、人の人生のオチって「死」しかないよね。そういえば、 “死にたいと思うことがあったので死にます”って連絡してきた子がいて、でもそもそも生きているのって、死ぬまでに自分をなるべく良い形にまで持っていくっていう作業じゃないですか。なのに今の無様なままで死にたいとか、私に何言ってきてるんだろうと思ったことがあって。
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「気持ちには寄り添えるけど、私に言うことなのかな?と思います」

三谷:「死にたい」って言わないと、逆に追い詰められちゃって死んじゃうんじゃないですか?YouTuberでも「アンチのコメント気にしません」みたいなこと言う人いるじゃないすか。でも絶対不健康だと思いますけどね。あんな強い毒を「気にしない」ってキャラ付けすることで、より害がありそう。誰にも相談できなくなっちゃうし。

取材対象者ありきのものだからこそ

――『街録ch』に書かれる批判コメントはどうしてるんですか? 三谷:やっぱり浴びすぎるとつらいから、消したりはしますね。自分の都合のいいコメントだけ残せばいいかなって。それに僕が1人で出てるYouTubeだったらいいんですけど、取材対象者ありきのものじゃないですか。無償で僕に時間を提供してくれた人を傷つけることは絶対にあってはならないので、こまめにチェックはしていますね。 ――大森さんが『街録ch』に今後期待していることはありますか。 大森:まあ、普通に疲れたら休んでくれたらいいなって思います。一回「毎日やる」とか成約作っちゃうと、意外と止められなくなっちゃうんで。壊れない程度にやってねって感じです。

『街録ch』は取材対象者ありきのもの

【三谷三四郎】’87年、東京都生まれ。『笑っていいとも!』や数々の人気番組のADを経て、『さまぁ〜ずの神ギ問』や『有吉ジャポン』などのディレクターに。その後フリーとなり、YouTubeであらゆる人々の人生を聞く『街録ch−あなたの人生、教えてください』を開始 【大森靖子】’87年、愛媛県生まれの“超歌手”。’14年にシングル「きゅるきゅる」でメジャーデビュー。現在ソロ活動の他、プロデューサー兼メンバーとしてアイドルグループ「ZOC」を率いる。7月7日に「Rude」を含む初の提供楽曲セルフカバーアルバム『PERSONA #1』をリリース <撮影/加藤 岳 取材・文/東田俊介>
大学を卒業後、土方、地図会社、大手ベンチャー、外資など振り幅広く経験。超得意分野はエンタメ
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