更新日:2012年04月13日 16:14
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ガンダム世代が人生を学んだこのセリフ

幼い頃から大人になった今に至るまで、大好きだった漫画やアニメのセリフが、人生のターニングポイントや心が折れそうなときに、自分たちを奮い立たせるサプリになることがある。そんな心の金言を紹介しよう ◆藤津亮太氏『人生の真実を“言い得て妙”な言い回しで語るセリフが刺さる』 ガンダム世代 小学校高学年で『機動戦士ガンダム』の洗礼を受けた世代なので、やはりガンダム・シリーズのセリフはよく思い起こします。なかでも印象深いのが『機動戦士ガンダムF91』に登場するこのセリフ。 「人生には、己の行く末をこのようにして占うときもある」  このセリフは、敵組織の思想的指導者、マイッツァー・ロナのもの。軍艦が彼の屋敷を狙って無差別砲撃を繰り返すなか、あえて屋敷を逃げ出さず、このセリフを口にする。砲撃で灼かれるも運命、生き残るも運命。そういうマイッツァーの強靱な人生観がよく表れています。  確かに人生、すべてを運命に委ねたほうがいいときもある。「もう、なるようになれ!」と言いたくなるような状況に追い込まれたときにこのセリフを思い出すと、「(人生を)投げ出す」のではなく「(運命に)委ねる」のだという発想の転換ができて、すこし心が安らかになります。締め切り当日に酒飲みに出かけて、結局原稿が書きあがらなかったときなんか必ず思い出しますね。てへぺろ。 「月にかわっておしおきよ!」という決めゼリフの傑作も数々ありますが、やはり人生のなかで繰り返し思い出したいのは「人生の真実を言い得て妙な言い回しで語る」タイプの名セリフ。名作には名セリフあり。例えば『ガンダム』には「やれるとはいわない、でもやるしかないんだ」などなど、この手のセリフが満載です。  最近の作品では『コードギアス 反逆のルルーシュ』がすごい。「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある者だけだ」「間違っていたのは俺じゃない、世界の方だ」「間違った方法で手に入れた結果に、価値はないと思うから」「勝てない戦と負け戦は別物だ」等々、会社ほか人生のさまざまな局面で応用可能なセリフが揃ってます。  昔の人は歌舞伎や講談などの名セリフを心の支えにしたんでしょうけれど、現代ではアニメ・マンガがその代わりを果たしてるということだと思います。 【藤津亮太氏】 アニメ評論家。著書に、『「アニメ評論家」宣言』(扶桑社)、『チャンネルはいつもアニメ―ゼロ年代アニメ時評』(NTT出版)など ― 人生に効く[漫画&アニメ]名セリフ集【7】 ―
チャンネルはいつもアニメ―ゼロ年代アニメ時評

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