ライフ

結婚式の3週間後に脊髄損傷したYouTuber「障がいを使命だと思って」

ポジティブな妻に感謝「なんとかなるでしょう。大丈夫でしょう」

かしわせチャンネル

画像はYouTubeのかしわせチャンネル『夫が障害者になった妻の壮絶な1日ルーティーン』より

 札幌の病院に入院中は、回復に向けてリハビリも開始した。少しずつだが、日常生活に戻れるように前進し始めた。 「札幌で入院しているときに、理学療法士と作業療法士とのリハビリはやっていました。腕を曲げたりはできるんですが、伸ばしたりはできない。この状態で、スプーンとかで食べる練習をしました。手の使い方のリハビリですね。入院してから退院するまでの間で、身体がどこまで動くようになるのかは、全然わからない状態でした。でも退院する頃にはこれくらいできるようになるかなって、希望を持ちながらリハビリをしました」  かしわせさんは、半年ほどの入院で自らの意志で退院した。 「普通、これだけの怪我をしたら2年くらいは入院するのが普通だったみたいなのですが、お医者さんとか、ソーシャルワーカーさんの大反対を押し切って、半年で退院したんです。結局、2年間も入院したところで、大部分の時間をリハビリに費やすんです。  僕は、頭がかゆくたって、自分ではできなくて。それを、わざわざ忙しい看護師さんに頼むのが嫌だったんです。でも家族なら頼みやすかった。僕は入院しているよりも、家に帰るのを希望しました。関東に戻って、賃貸のマンションに引っ越しをしました。玄関の段差だけスロープにして住みやすくして、介護用ベッドも用意しました」  すべて前向きに進んでいるようだが、一度だけ弱音を吐いてしまったこともあるという。 「怪我した直後は、“一生歩けない”っていうのが辛くて、泣きながら『元の生活に戻りたい』って妻に言ったことがあります。妻はポジティブなので『なんとかなるでしょう。大丈夫でしょう』って。そこで一緒に暗くなられてしまうと、こちらもより辛くなってしまう。  彼女がポジティブでよかった。妻は僕に涙を見せたことがないんです。もしかしたら、陰では泣いてることもあるのかもしれないけれど……。本人も『泣いたことは一度もない』って言うんです。すごく助けられていますね」

動画で「弱い部分をさらけ出すことも、恥ずかしいとかはあまりなかった」

 入院中は、怪我などで闘病生活やリハビリに励むYouTuberの動画を観ていたという。  そして、かしわせさん自身もリハビリ生活の動画をアップし始めた。動画には排せつした瓶を洗うシーンや、入浴姿まで。 「僕のように怪我をした人の動画を観ていたのは、退院したらどのような生活をしているのだろうって、気になったからなんです。僕自身の生活は、YouTubeに動画をアップしてからも変わっていません。僕の動画は、カメラに向かって『はいどーも』って話す形ではないので。カメラを置いて、記録して、編集して出すので。  僕は全然オープンだったので、嫌だなっていうのはなかったです。観てくれる人がいるのであれば、弱い部分をさらけ出すことも、恥ずかしいとかはあまりなかった」  かしわせチャンネルでは、最初の動画が投稿されてから、しばらく動画をアップしていない時期があった。そこから動画配信を再開したきっかけは、予想以上の反響があったからだ。
かしわせチャンネル

YouTubeのかしわせチャンネル『夫が障害者になった妻の壮絶な1日ルーティーン』のサムネイル(画像提供/かしわせさん)

「結婚式から3週間後に交通事故に遭ったという話にリハビリの様子をつけて、“こんな悲劇もありますよ”的な動画を出した。適当にその場にある素材で、妹に編集してもらったんです。  最初は再生回数は5000回だったのが、1万、3万と増えて、『おー凄い!』と言っていたら、1か月で200万回再生までいったんです。ほかにも上げてみたら、同じように再生回数が伸びていった。それで、動画を増やしていこうと思って」  動画の撮影には、かしわせさんの飲食店時代のアルバイトなども手伝ってくれているそうだ。
次のページ
「障がいを使命だと思って」
1
2
3
4
5
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ