「収入は会社員時代の3倍に」110kgの40代男性が“車上生活”で見つけた“居場所”――仰天ニュース傑作選
2024年の大反響だった記事をピックアップ! すご過ぎて順位はつけられない「すごい人生」部門はこちら!(集計期間は2024年1月~10月まで。初公開2024年7月11日 記事は取材時の状況)
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自らの車上生活を配信するYouTuber・戦力外110kgおじさん。「戦力外」と印字されたTシャツを着て、車内での生活を切り取って動画投稿をしている。チャンネル登録者数は16万人以上。言ってみれば40代の中年男性が車の中でご飯を食べたり酒を飲んだりするだけの動画に、なぜここまで多くの人が魅了されるのか。177cm110kg、自ら「戦力外」と称するおじさんへの取材を試みた。
――「戦力外」「110kg」というパワーワードがまず気になるのですが、動画制作までの着想やコンセプトについて教えてください。
戦力外110kgおじさん(以下、戦力外):私の実家は福島県で川魚の養殖業を営んでいます。東日本大震災までは、私も実家が経営する会社に勤めていました。しかし震災で大きな打撃を受けたことを機に、県外の企業で働こうと思いました。30代で初めて実家の庇護を受けずに一般企業に就職したんです。
しかし現実は厳しくて、最初は仕事を覚えられなくても優しく接してくれた先輩たちに、だんだんぞんざいに扱われていくのを辛く感じるようになりました。能力がない自分に対する歯がゆさとか会社に対する申し訳無さがあって、自分が惨めに思えたんです。そのとき、つくづく自分は「戦力外だなぁ」と感じたんです。
動画のラインナップには、当時の実体験をもとに少しフィクションを加えて“使えないサラリーマンの哀愁”みたいなものを感じられる作品もあります。生きるのが器用とはいえないおじさんが、趣味の車中泊で日頃の辛さを忘れる――というのが基本コンセプトなんです。
――チャンネルの概要欄に「このチャンネルの動画『車上生活者』シリーズは半分くらいフィクションを入れております」とあるのは、そういう意味ですか?
戦力外:そうです。ちなみに車上生活は週の半分くらいしていて、居住地が定まらないわけではありません。あくまで半分定住、半分車上生活をしています。よく「車上生活そのものが嘘なんでしょ?」と聞かれれるのですが、実際にしています。
“初めて”一般企業に就職してみたら…
週に半分は実際に車上で生活している
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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