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ワクチンは人体実験、皆殺し作戦…永田町「反ワクチン集会」彼らの主張とは

「ワクチンは人類皆殺し作戦である」

 集会は上記の医師と議員が中心だったが、その後ろの席にも医師、歯科医、ジャーナリストらが並んだ。  中でも異彩を放ったのが、ジャーナリストの船瀬俊介氏。  司会の池田市議から「この会の統一の見解ではないが、こういう意見もある」と振られて発言を許された船瀬氏は「一言でいえばワクチンは人類皆殺し作戦」「闇の連中が9割人口を減らすと言っている」「奴らは皆殺しを始めた」などと発言。さすがに途中で池田市議に「ハイ、ありがとうございましたー。あくまでも個人的な見解です」と止められ、会場からは笑いが起こった。  そして、終盤の質疑応答。  同日に河野太郎ワクチン担当大臣が「ワクチンデマについて」とのブログを更新し「医師免許を持っていてもデマを流す人が」と指摘したことを問われ、高橋医師は「厚労省が出したデータに基づいてワクチンは有害無益だと言った。デマでもなんでもない。出所は厚労省のホームページです」と不機嫌そうに返答していた。  これに対し池田市議が「デマを流している医者というのはテレビでご活躍されている方々では」と発すると、会場から大喝采が沸き起こった。池田市議はその流れで、前年度よりも全国の死者数が減ったことを厚労省の資料から紹介し「誠実な数字を誠実に伝えていくことがこの会の趣旨」と語った。

「子供と親が率先してノーマスク宣言を」という提言も……

 他の質問では子ども達へのマスク着用の懸念に話が及び、谷本議員が「強制はできないからお子様と保護者がノーマスク宣言をして増やしていけばいい。ボトムアップで既成事実を作ってひっくり返すしかない」と話してまた歓声を浴びていた。ワクチン同様にマスクにも懐疑的な集まりだったようで、会見中に着用している人はわずかだった。  テレビや新聞の記者の出席はなかったのだろうか。質問者がこの会への感謝の言葉を述べたり、中には「ぜひWHOに代わる組織を」との要望まで飛び出したりしていた。名乗らずとも多くの人が司会進行に名前を知られていたことも気になった。ほぼ全員がこの会の主張に初めから賛同しているような空間であり、まるで内輪の集まりのようだった。  参議院議員会館内でこうした思想的な集会が認可されたことは物議を醸すだろう。高橋医師は、ワクチン接種中止に関する署名を一般にも広める意向で「何十万と集めて大きな流れにしていきたい」そうだ。  接種を進めたい政府の思惑とは裏腹に、扇動的な「反ワクチン運動」が、奇しくも永田町から始まってしまった様相だ。 <文・黒猫ドラネコ>
九州出身。30代後半のライター。怪しいスピリチュアルや陰謀論、信者ビジネスなどを観察し潜入取材も敢行する。超甘党。 Twitter:@kurodoraneko15
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