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「反ワクチン」は決して崇高な理念ではない。陰謀論に染まらないために気をつけるべきこと

SNSで「反ワクチン活動」が蔓延

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「反ワクチン」を唱えることは自由だが、重大な危険性も孕んでいる

 今やSNSは立派な情報収集の場。コロナ禍にあって、感染症専門家ら医療の高い見識を持つ方々からの発信が、知識のない我々にとって行動の判断材料にもなる。  だからこそ、感染拡大とともに心配なのが、「反ワクチン活動」の蔓延だ。それに熱心な医師や医療従事者、議員、インフルエンサーもいて、そこから「陰謀論」も混じったような情報が発せられている。  一時期の「接種部に金属がつく」「マイクロチップが入っている」「5Gに接続する体に」のような荒唐無稽な噂は多くの人が鼻で笑えるようになった。  だが、いまだ根強いのは「接種によって千人以上が亡くなった」というデマだ。厚労省の調査が元になってはいるものの、「接種後の死」と「接種が原因の死」を意図的に混同している。それが「実際はこの数十倍は死んだ」「本当の死者数が隠ぺいされている」に飛躍さえする。誰がそこまで危険だと認識させたいのか、「厚労省職員や政治家は打っていない」などの妄言も拡散され、慎重さではなく不安感を抱く人を増やしている。

「それっぽい用語」には要注意

 不安の中で受け取る「それっぽい」用語にも注意が必要だ。たとえば「接種者からのシェディング」。これを目にして、いざ検索にかけてアクセスする先を誤れば、どこの誰が書いたかも分からないサイトへひとっ飛び。猜疑を深めることになるだろう。  シェディングとは「汗や呼気からの抗原の曝露」のような意味で、実際には今回のmRNAワクチン由来の何かが体から出て周囲の健康を害するという根拠はない。それでも、信じてしまった人達がいて、「接種者が増えたせいだ」と体調不良を訴える人まで出ている。理論上は考えにくくとも「そんなものは無い」と簡単に斬り捨てられないのが難しいところだ。  筆者は、SNSでワクチン忌避を煽るアカウントを2000ほど捕捉している。その多くは、公的機関が出した資料やデータを疑い、しばしば身勝手な解釈を流す。共通する思考として、政府や官公庁、大病院、大手メディアなど自分達の力が及ばない大きな組織を「悪」とみなしていることも分かる。それらに従うものかと歪んだプライドを持ち、総じて、一般的な感染対策をする人を見下しがちだ。
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「悪」を作り出し、勧善懲悪の図式に持ち込む手口
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