では、私たちが騙されないためには、どうすればよいのでしょうか？ 　それは、相手が描く理想のストーリーに乗せられないことです。もし片足でも、彼らの“ベルトコンベアー”にのせられてしまえば、被害に遭う段階まで一気に進んでしまう恐れがあります。 　私は勧誘の流れにのって、すべての話を聞いてから、最後に断りますが、これはなかなか至難の業です。相手を騙すために磨かれたトークスクリプトのひとつひとつを論破するのは、本当に難しいこと。 　ゆえに「怪しいと思えば、耳を傾けない」。これが最善の策といえます。もし足を止めてしまった時は、相手に納得してもらい、場を収めようとは考えないでください。 　電話なら相手の話の腰を折って切る。勧誘場所に連れ込まれたら、強引に外に出る理由を考える。論破しようとしたり、相手をやりこめようとすれば、逆に返り討ちに遭うことにもなりかねません。 ＜TEXT／悪徳商法評論家　多田文明＞ ※bizSPA!フレッシュより