篠原涼子・市村正親の離婚にみる「年の差婚」の落とし穴とは
次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
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篠原涼子さん(47歳)と市村正親さん(72歳)が7月24日、離婚を発表した。
2001年に舞台『ハムレット』で共演、当時、市村さんは結婚していたが2年後に離婚。2005年に篠原さんと結婚した。
それから16年、中学1年生と小学校4年生ふたりの男児の親権は市村さんがもつとも発表された。
昨年、ふたりは別居しているという報道があった。篠原さんのドラマ撮影があり、夫や息子への感染を恐れたため、自宅から10分ほどのところにマンションを借りたのだという。ドラマ撮影が終わればまた同居すると事務所は発表していたが、今年になっても別居のまま、今回の離婚報道へとつながった。
篠原さんにとって、別居してみたら意外と居心地がよかったのだろう。とはいえ、彼女は夫が舞台の仕事でいないときは家に戻って子どもと手をつないで出かけたりもしている。母親であることを放棄したわけではない。ただ、夫と一緒に住むことに対して疑問がわき、それが確信へと変わっていったのだ。
舞台で共演したとき、篠原さんは27歳、市村さんは52歳。20代後半の彼女にとって、50代前半の彼は円熟期の男盛りで、頼もしく映っただろう。
だがそれからの20年で、彼女は今や円熟期の女性、70代になっている夫は、いくら若く見えるとはいえ、男として見ることができなくなったのではないだろうか。年の差がなくても、知り合って20年もたてばお互いにそんな心境になることは大いに考えられる。
もうひとつ、夫を男として見られなくなった原因として考えられるのは、市村さんが子どもたちを溺愛していたこと。自宅付近で幼い子どもたちを自転車の前後に乗せて送り迎えをする彼の姿はよく目撃されていたそうだ。男3人が結束を深めていく様子を見て、妻であり母である篠原さんに寂しさはなかっただろうか。夫である市村さんが、つい妻である篠原さんを子ども扱いしてしまうことはなかっただろうか。
逆のケースはよくある。妻と子どもたちがまとまっていて夫が孤独を感じるパターンだ。妻が夫を「長男のようなもの」と見なす家庭も多々ある。結果、「家の中に居場所がない」と嘆く男性たちの声も聞こえてくる。
市村さんは妻が仕事をすることには積極的に応援していたというが、それがますます彼女を追いやっていた可能性もなくはない。
彼女自身もまた、家庭より仕事、家族よりひとりの自由を選ぶタイプだったのかもしれない。日本では共同親権がないため、離婚をすると父か母、どちらかが親権をもつことになる。父が親権をもったからといって、母親失格というわけではないだろうに、世間の目は現在、篠原さんに冷たい。夫婦のことは夫婦にしかわからないはずだが。
篠原涼子と市村正親、別居のまま離婚
年の差婚の落とし穴
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