コスプレ文化のひとつ「併せ（同じ作品のキャラ同士でコスプレすること）」も、以前ならばSNSで盛んにメンバー募集が行われていた。だがコロナ禍以降、そうした新規での交流も自粛傾向にある。 　ねり梅さん自身も、イベントやスタジオで「併せ」をする時は友人とのみ楽しんでいるという。もし今年コミケがあったなら、『ウマ娘』の併せをしたかったと教えてくれた。 「ナリタブライアンで生徒会併せをしたかったです。コミケは参加しているレイヤーさんの分母が違うので、いろんなジャンルのコスプレを生で見られるのがいちばん楽しいですね」 　コミケ独特の文化である、「ネタ系コスプレ」を見るのも楽しみにしていたというねり梅さん。コスプレ活動が制限されている今の状況に対し、正直な気持ちを伺った。 「感染症対策を守って自己責任でコスプレをしていても、会いたい人には会いづらいし、イベントも少なくなってしまって寂しい思いはしています。一刻も早くマスク無しでコスプレをして友人に会える世の中になってほしいですね。それまでに大手を振って人に会えるくらい、クオリティを上げられるように頑張りたいと思います！」 　それぞれで状況は異なりつつも、「クオリティを上げる」と共通の目標を掲げるコスプレイヤーたち。予定されている2021年冬のコミケが無事に開催されることを祈るばかりだ。 ＜取材・文／倉本菜生＞福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X（旧Twitter）：@0ElectricSheep0、Instagram：@0ElectricSheep0