更新日:2021年08月22日 09:17
エンタメ

雨上がり決死隊、解散劇から見えた宮迫博之の凄さ

宮迫はネット配信に向いている

 昨今はこのリテラシーが高い人物がもてはやされる傾向にある。その中で最も際立っているのが、ひろゆきなのではないか。YouTubeで世間の人たちからの質問に答えていく、ひろゆきの見識の広さ、論理的に話す力は際立っている(まぁ「論破王」と言うのだからそれは当然なのかもしれない。ただ彼が口喧嘩に強いのは、リテラシー以上に、いつもにこやかでいられる、揺るがないメンタルにあると思う)。
 ネット配信者は、「やってみた系」と「複数のトークによる裏話や独り語りによる啓蒙系」のニ極化になっている。元スポーツ選手など裏話を話せるキャリアのある人や、リテラシーのある人は、自然、後者をすることになる。つまり、ネット配信者には論理的にわかりやすく話す能力が重要であり、宮迫の才能がこの世界にハマっている事は、そのチャンネル登録者数、視聴回数がすでに証明しているように思う。

テレビの世界に戻りたいと言ってはいるが……

 宮迫博之はテレビの世界に、そしてホトちゃんの横に戻りたいと言い続けていた。それはそうだろう。ネット配信の世界は、今のところ有吉弘行が言うように「テレビの劣化版」の域を出ていない。露骨に視聴回数を競い合うのは、精神的にきついだろう(それは某メンタリストさんの壊れ方を見ればわかる)。出演者が裏方の役目もしなければならないネット配信に比べ、テレビでは、制作陣がお膳立てをした上で、タレントは、最後にケーキにイチゴを乗せて、番組に華を添えることに徹することができる。  宮迫がYouTubeを始めた事が、蛍原が解散を決意した要因だと言う。YouTubeなど始めずに、おとなしく謹慎していることが、雨上がり決死隊復活の早道だとホトちゃんは思った。今回の「解散アメトーク」でホトちゃんが、筋を通す事を重視する人だとよくわかった。雨上がり復活、宮迫テレビ界復帰の可能性が高いのは、ホトちゃんの考える通り、筋を通すことなのだろう。
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宮迫博之はどこへ行く
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina

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