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なぜエンディングノートは3冊いるのか? お葬式のプロが教える書き方

なぜエンディングノートは3冊いるのか

 そして、エンディングノートでは「大切な人へのメッセージ」を書くことを忘れてはなりません。  メッセージといっても、特に難しいことは考えなくてもよいのです。ただ純粋に、出会ったときのこと、楽しかった思い出、今まで言えなかった感謝の言葉など、思いつくままに書き出してみましょう。 少々気恥ずかしさを覚えるかもしれませんが、「ありがとう」の一言があるだけで、人は嬉しく感じるものです。  ちなみにノートの種類は、NPO法人が作成しているものがオススメです。 というのも、彼らは後見人を担当することが多々あるため、家族の思い出、仕事の経歴、認知症や寝たきりになったときにどんな介護をしてほしいかなど、故人が残したかった事柄を漏らさず把握できるエンディングノートになっているからです。  私はセミナーでもよく言うのですが、エンディングノー トは3冊にわけ、別々に保管しておきましょう。  自分の持病や常備薬、かかりつけの医療機関に関することなどを書いたエンディングノートは玄関先に、財産管理に関することは金庫の近くに。葬儀の希望や宗派などは仏壇の近くに、と分けておく方法です。  こうすることで、たとえば訪問介護のヘルパーさんが玄関に置いてあるエンディングノートで常備薬や持病の確認を簡単にできますし、一方でそこには資産やお葬式の希望などは記載されていないので、プライバシーも守れます。3冊に分ければ、生前からエンディングノートを周りと共有できるのです。

旅立つマナー 残された家族が助かる言葉とは?

 そしてエンディングノートの最後には、託す人に向けて一筆書いてもらいたいことがあります。 「託す人へ。いろいろ書いたけど、最終的にはあなたの判断に任せます」  この一言があるだけで、残されたご家族がどれほど助かることでしょうか。 「お葬式は派手にしてほしい」と書いてあっても、そこまで費用をかけられない場合もあります。「○○式場で式をあげてもらいたい」と書いてあっても、改装中のことだってあるでしょう。「○○さんだけはお葬式に呼ばないで!」とあっても、「あ、呼んでしまった。○○さん、美味しそうにお寿司を食べていたな……」という話にもなります。  だからこそ、最終的には託す人に委任してあげてほしいのです。 *本稿は『日本一笑顔になれるお葬式 大切な人が亡くなる前に知っておきたい葬儀の本当のハナシ』を一部抜粋、再構成したものです。
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日本一笑顔になれるお葬式

街の葬儀屋さんが教える「心がスーッと楽になる」お葬式の作り方

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