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「飲みに行こうか」上司や先輩の誘いが憂うつすぎる緊急事態宣言明け

店で陽性者が発覚した途端「俺は知らない」

飲み会が憂鬱うつ 自身の欲求を部下に押し付けるパターンは、村田さんの例だけではない。対外的には「二度のワクチンを打っている」とか「もうそろそろいいだろう」と大胆なのだが、いざ問題が起きると、途端に「俺は知らない」と開き直る上司もいる。 「上司にしつこく誘われ、飲みに行ったのが8月の終わりでした。社内の全員が二度のワクチンを接種済みでしたが、おおっぴらに“飲みに行こう”と誘う人はいませんでした。でも、その上司だけは別で、同僚や部下の前で私を堂々と飲みに誘うものだから、誘うにしてもこっそりにしてくれませんか、と言ったのですが」  福岡県在住のシステムエンジニア・江田慎二さん(仮名・30代)は、上司がかつて行きつけだったというバーまで飲みに行ったのだが、飲んで帰った翌日、その店で感染者が出たことが発覚した。

こんな上司にはついていけない

 上司のもとには、バーの経営者や保健所からも電話がかかってきて、勤務中の江田さんの前で青ざめていた。しかし上司は、江田さんの体調を心配するわけでもなく、こっそり江田さんを人気のない社内のトイレに呼び出し、こう釘を刺したという。 「飲みに行ったのは、僕が飲みたそうにしていたからで、心配して連れて行ったのだと言われました。まるで責任は自分にない、という態度です。結局、上司も僕も、バーの店長伝いに飲んでいたことがバレました」(江田さん、以下同)  社員の健康管理を行う部署のスタッフから呼び出され、飲みに行ったことは事実か、誰に誘われたのか追求されたが、上司の視線を恐れ「1人で飲みに行った」と苦し紛れに答えた。その後、職場に戻ると、江田さんの姿を見た上司が次のように告げたという。 「俺が知っていれば止めたのに、と部署全員に聞こえるような大声で言い放ちました。テレワーク中の社員に対しても、部内チャットで“江田が勝手に飲みにいった、みんなも注意して”と書き込んでいました。もちろん、私が上司に誘われていた様子を見ている同僚や部下もダンマリです。僕だけ尻尾を切られました。上司の甘い誘いに乗った僕も悪いですが、こんな上司にはついていけないと強く思いましたよ」
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ブレイクスルー感染する可能性も
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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