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基本給6万円!残業は過労死級、「サカイ引越センター」で労組を作った20代に聞く

活動に縛られたり費用が発生しないか?

 組合を立ち上げたあと、組合同伴で川崎北労働基準監督署へ申告。現在は全労連に加盟し、全国一般労働組合として活動している。組合に入ると、活動に縛られたり費用が発生したりしないかと不安になる人も多いようなので、そのあたりについても尋ねてみた。 「組合に入っても、活動を強制されることはありません。仕事や生活が優先なので、会議に欠席という人も多いですし、最近ではコロナの関係もあってZoom会議がほとんどです。費用に関しては、どの組合に入っても『組合費』というものが発生します。  一般的には1500~5000円ぐらいで、大きな組合や組合費が高いところは、組合員が裁判などを起こすときにお金を貸し出せるようプールさせていることが多いです。サカイの場合は、アルバイトや解雇者、退職者など毎月の収入により上限を設けているため540~2410円。組合費が比較的安い反面、交通費などは組合員の自腹です。組合員が増えれば、組合費を下げても交通費などが捻出できるので、早くそうしたいと思っています」

組合の発足と嫌がらせ

サカイ引越センター 結成まではスムーズだった組合だが、すぐに壁が立ち塞がる。組合発足の翌日からハッキリわかるほど皆の対応がガラリと変わったのだ。 「組合役員の4人だけが集められ、1軒の引っ越しをすることが続いた時期もあります。ほかの社員とおこなっていた『誰がどの現場に行って、何時頃に終わった』という情報共有もなくなり、終了報告についても、気づいたら僕たち組合役員だけがほかの社員とは違う従来の窓口でおこなっていました」  ただ、「サカイに労働組合がないのは、団体に加盟せず労働組合法の手順で立ち上げた組合を過去にサカイが潰したため」だと事前に聞いていた大森氏は、「ほかの非組合役員の接触を避けるためではないか」と推測。支店長に尋ねてもみたが、「意図的なものではない」と回答され、このような状態は約3か月間も続いている。 「1か月ほど前からは改善されつつありますが、少し前まではすごく働きづらい環境でした。また、これまでは1日1~2件だった引っ越し件数が1件に減らされ、1か月の給料が5万~10万円違っています。手取りで、6月分は15万円、7月分は19万円でした
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