基本給6万円!残業は過労死級、「サカイ引越センター」で労組を作った20代に聞く
「勉強しまっせ」「仕事きっちり」などと歌ったり踊ったりする強烈なインパクトのCMでおなじみのサカイ引越センター。現在のCMでも「親しみやすさ」や「まごころ」をウリにするサカイ引越センターだが、不明瞭な給与支払いや過労死レベルの残業が常態化しているとし、同社社員6人が2021年5月に労働組合を結成した。
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組合役員であり分会長でもある大森陸(25歳)氏を筆頭に、現在の組合役員はすべて20代。2020年に入社して間もない大森氏と年齢の若い社員たちが、一体どのように組合を立ち上げたのだろうか? 組合を結成したキッカケとともに、大森氏に尋ねた。
「入社してすぐに、『給料が低い』と同僚などから聞いて時給に換算したところ、神奈川県の最低賃金1012円を下回る状態だったことが組合結成のキッカケです。また、基本給が6万円のうえ、残業手当や深夜手当などの計算方法も不明瞭ということに衝撃を受けました。
年に2回のボーナスも、金額は6万円ほど。さらに、お客さんの荷物を壊したり、車両事故を起こしたりすると、減額、あるいはもらえなくなります」
支社によっては繁忙期の残業が月120~160時間と過労死レベルにもかかわらず黙認状態だったほか、パワハラ行為、労災隠しや社員寮への立ち入り検査・撮影、勤怠の時間操作など問題は山積み。靴や帽子などの作業着代を給料から天引きするシステムにも疑問があった。
「そういった労働環境に悩んでいたとき、『組合を立ち上げて、会社に訴えてみればどうか』と声をかけてくれたのが、母の古くからの友人で、いま組合の特別顧問を務めてくれている方でした」
「特別顧問が神奈川県労働組合総連合の事務局長を紹介してくれ、事務局長からは全労連・全国一般労働組合神奈川地方本部の執行委員長を紹介してもらいました。そのため、ユニオンなどへは相談せずに、サカイ引越センター労働組合を立ち上げることができました」
結成までがスムーズだったのは、特別顧問がすでに「神奈川県労働組合総連合とパイプがあったことが大きい」と大森氏は振り返る。
「労働組合は個人でも立ち上げられますが、会社へ提出する意見の書き方など難しいこともあります。執行委員長がいれば、意見を取りまとめて会社に提出してくれるのでスムーズです。なので、全労連などにパイプがない場合は、ホームページから問い合わせて加盟するのがおすすめです」
【bizSPA!より転載。リンクなど元記事に移動します】⇒
サカイ引越センター組合結成のキッカケ
組合結成までの道のり
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