カンニング竹山、相方の死から15年。もがいた「立ち位置」
2021年で14回目となるカンニング竹山さん(50)の単独ライブ『放送禁止』が10月13日に開催されました。放送作家の鈴木おさむさん演出・構成のもと、自分の不倫を報じた週刊誌、急性リンパ性白血病で亡くなった相方・中島忠幸さんの葬儀の裏側、障害者のリアルなど、ともすれば口に出すことを躊躇しそうな“タブー”に竹山さん自ら飛び込み、笑いと涙に変える同ライブは、業界関係者にもファンが多数。
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相方・中島さんの死後、漫才師としての道の継続は考えられず、もがいた「芸人」としての立ち位置。前後編の2回にわたるインタビューの前編では、葛藤のなかで竹山さんが出会い、見つけたものについてお話を聞きました(取材は単独ライブ開催前)。
――当初は金銭的事情から『放送禁止』もDVDを制作していたとのことですが、竹山さんは「もう映像は残さない」と明言します。「残さない」ことの意義は何でしょう。
カンニング竹山(以下、竹山):2つあって、まずひとつには、チケットを買って会場に来てくださるお客様をいちばん大切にしたいということ。もうひとつは、個人的にはあんまり想い出を残したくないっていう……。各々の頭のなかに、「こういうのあったな」っていうのが残ればいいかなと思っているんです。
ただ、いつもこのライブは4、5日やってるんですけど、コロナの影響で、昨年は1回だけの生配信。今年は1日だけライブをして、5回配信をします。生配信ではないのですが、配信時間は決まっていて、1回しか見られないというタイプ。会場のチケットと同じ値段で、劇場を開くような感じでやります。
――『放送禁止』は、〈テレビではできない笑い〉というキャッチコピーですね。
竹山:始めた時(2008年)からそうしてるんだけど、真意は違って。おさむさんと、「これ、昔のテレビだったら編集で落とさないよね」っていう話が出たことから、なんとなく、そこを落とさずにまんましゃべったら面白いかなという。だから、誰か根性のあるやつがいれば放送コードに乗るんですよ(笑)。
竹山:『放送禁止』っていう名前をつけているから、文句とか放送禁止用語をガンガン言ってるだけだろうなってイメージしている人は結構いるらしいんですけど、別に本当に「タブー」なことばっかり話しているわけじゃないからね。
――トークライブを配信するオンラインサロンもしています。有料で発信するものと、無料で見られるテレビでの発信、棲み分けは?
竹山:意識のうえでの違いは特にないですね。もちろん、お金を払って見に来てくれる人がいるものについては、払ってくれただけの納得する作品を見せたいといういいプレッシャーにはしています。
本音を言うと、誰のために有料ライブやってるかって、自分のためです。お金をいただいてライブをやって、お客さんが良かったって言ってくれた時、いちばん気持ちいいのは僕ですよ。よくファンのためにとかいうけど、綺麗事いってるんじゃねえ、てめえのためだろ、お前って(笑)。もちろんエンターテイメントはファンと演者のやりとりで成立するビジネスだから、そこは大事にしなきゃいけない。ただ、突き詰めると自分のためですよね。
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あまり想い出を「残し」たくない
有料ライブ「いちばん気持ちいいのは僕」
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