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カンニング竹山、相方の死から15年。もがいた「立ち位置」

社会を変えてやろうとまでは思っていない

――過去のライブでは、「伝える怖さ」を吐露したこともあります。 竹山:『放送禁止』は、全部自分の足で調べ、見聞きした“リアル”を話す場。僕が知っていることは、果たして「本当」なのかい?っていう疑問から始まることも多々あります。でもいきなり社会を変えてやろうとか、そこまでは思っていない。  自分の体験を話したうえで、皆さんどう思います?っていうことですね。こうですよ、これわかって帰ってね、じゃないんです。僕の話をどう受け取られるかは、緊張します。でも、障害者の方に、「わかっているのに、怖がって避け続ける」のがいちばんダメだと教えられました。 ――テーマはどうやって決めているのでしょうか。そんなに毎年、ユニークな体験ばかりするとも限らないのでは。 竹山:いやもう、そんなに毎回、1年生きてて「これだ!」っていうものなんてないですよ(笑)! 俺、日記つけてて、『放送禁止』の制作に入る時に、1年分読み返すんだけど、全部おもしろくない、なんてことはザラ。  でも何度も読むなかで、記憶を集めていきます。この時あんなことあったなとか、あのロケ行ったときに、こんなこと考えたなあとか。あとはおさむさんが「竹山、Twitterで炎上していたあれ面白いんじゃない」みたいに僕が気づいていないことを言ってくれる場合もあります。それできます?っていう突拍子もないアイデアもあるけど、だからこそ始まるものもあって、それはワクワクしますね。

僕しかできないことだと思う

カンニング竹山――今年はどんな『放送禁止』になりそうですか。 竹山:今年は衝撃だと思いますよ。作りは毎年同じで、だいたい僕の1年の話から始まっていくんですけど、後半にかけて……。ほんと、僕しかできないことだと思います。もうワンデーでしかできないでしょうっていうくらい。 ――毎年、竹山さんの生きた1年を通して、いろいろな人の人生を見ている印象で、最後、なぜか必ずちょっとホロリとしてしまう。 竹山:1人しゃべりだけど、ひとつの演劇や映画だと思ってもらえればいい。演者は僕で、2時間くらい言葉を発しているだけなんだけど、作品なんですよね。それが普通のトークライブと違うところかもしれません。 <取材・文/吉河未布 撮影/尾藤能暢> 【カンニング竹山】 1971年、福岡県生まれ。1992年にお笑いコンビ「カンニング」を結成。『めちゃ2イケてるッ!』『エンタの神様』など全国放送のお笑い番組に出演し、「キレ芸」でブレイク。2006年、相方の中島忠幸さん死去によりコンビ解散。現在はワイドショーやバラエティ番組ほか、幅広く活躍中 Twitter:@takeyama0330 【後編】⇒カンニング竹山の仕事論、“やる気スイッチ”クソ喰らえ「オンオフは決めなくていい」 ※bizSPA!フレッシュより
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