仕事

横浜・福富町の若きスナックママが語る「目先の利益よりも大切なこと」

勝たなくてもいいからこの街で生き残りたい

未來——コロナ禍の2年弱を振り返って率直にどうですか。 未來:やれることは全部やろうと思って。オンライン営業をはじめ、去年は飲食のテイクアウトなども計画しました。時短で営業再開したときは、午後15時からオープンしていました。 ——それでお店の経営が成り立つものなのでしょうか。どうしても夜に稼ぐというイメージがあるのですが……。 未來:他店に勝つことよりも生き残ることを第一に考えて。とにかく、今日の1組、明日の1組を大切にしてきました。その結果、お客様に支えられた感じですね。  昼間に“ランチ同伴”をすることにしたのですが、やっぱり夜とは勝手が違うので試行錯誤の連続。徐々に「昼デート気分が新鮮」と言ってくれるお客様が増えて。ほぼ毎日のように同伴の予約が入るようになりましたね。 ——大好評だったんですね! 未來:午前中から同伴する日もあって、みなとみらいで「こんないい店あったんだ」みたいな新しい発見もありましたね(笑)。

コロナ禍を「新しい挑戦をする機会」と捉えて成長したい

まや

転職に伴い9月末で卒業した元スタッフのまやさん(写真左)いわく「なんでも相談できて、いつでも帰ってこられる実家みたいなお店」

——裏を返せば、夜の福富町はやっぱりそれだけ苦しかったということですね。 未來:人通りが減って、明かりも灯いていなくて薄暗かった。本当に寂しい街並みでしたね。ただ、今年の春以降は、少しずつ状況が変わってきているのかな。空きテナントに入る新店も増えて、徐々に活気が戻りつつありますね。 ——緊急事態宣言をはじめ、さまざまな要請が出ているなかでも生活するお金を稼いでいかなければならない。当然、葛藤もありますよね。 未來:私たちは株式会社として経営していたので、持続化給付金などの申請はひと通りできました。要請に従いながら、ただ何もせずに休業するのではなく、何かしら新しい挑戦をすることで、スタッフの成長につなげたいという思いはありましたね。  また、お客様に「来て良かった」と思っていただけるような場所を提供したいという想いは、開店当初から変わりません。この店でストレスを発散してもらい、明日からまた頑張ろうという気になってもらえるように努めてきました。それが、私の幸せでもあります。 ——コロナ禍で原点の気持ちを思い出した。 未來:本当にお客様からお金をいただけるありがたみが心にしみましたね。この時期を乗り越えた先に、「ミスティークはすごいね」と言ってもらえるように営業してきました。
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「福富町」の魅力を知ってもらいたい
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横浜・福富町「ミスティーク」
住:神奈川県横浜市中区福富町東通38-5 東38番館3F-A
営:19時30分〜LAST
休:日・木
料:1セット60分3000円(瓶ビール・焼酎・ウイスキーなどが飲み放題)※延長30分毎に1500円 テキーラショット700円、スタッフドリンク1000円ほか
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