更新日:2021年12月26日 10:27
エンタメ

俳優・加藤雅也が語る、挫折や喪失を乗り越える術。ネットの時代も「直接の関係は大切」

努力は間違っていない、時代に合ったやり方を考えればいい

加藤雅也――物語からは逸れてしまいますが、社会に出て何かを失ったり壁にぶつかったりで、立ち上がることを諦めてしまっている人に、加藤さんならなんと声をかけたいですか? 加藤:自分が間違っていたのではなく、やり方が時代に合っていなかったんだと思えばいいと思います。そして違うやり方を模索すればいい。自分が間違っているわけじゃない、アプローチの方法が合っていないだけ。  俺がやってきたことは否定されたんだと挫折してしまう人がいるけれど、別に今までやってきたことだって間違ってはいないんだと。それが無になるわけじゃない。ちょっと方法を変えればいいだけ。たとえば飛脚になろうとトレーニングしてきたとします。 ――飛脚ですか。 加藤:そう思いますよね。速く走ること、長く走れることへのトレーニングは無駄じゃない。でも今の時代に、飛脚で生きていこうと思っても無理でしょう。メールだってあるし。だったらその鍛えたものを何に使えばいいのか。別の走る職業に生かすのか、それともメールを届けることに関連した仕事をするのか。一生懸命やってきたことは間違いじゃない。

“好きなこと”ではなく、“得意なこと”を仕事にするべき

――そもそも何も一生懸命できていなくて、迷走したまま年齢だけ重ねてきてしまった人は。 加藤:それは己を知ることから始めるしかない。あと、人は得意なことを仕事にするべきであって、好きなことを仕事にしちゃいけないと思います。趣味は好きなことをやればいいけれど、仕事というのは得意なこと。  だから人から自分がどう見られているのか。たとえば、人から何か誉められて、俺のそれって才能なの? と思うようなことがあるなら、言われたことをまず素直に信じてみる。成功するためには、正しい方法で正しい回数向かわなければ結果は出ないよね。
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過去は過去、未来は今から作るもの
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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