更新日:2021年12月26日 10:27
エンタメ

俳優・加藤雅也が語る、挫折や喪失を乗り越える術。ネットの時代も「直接の関係は大切」

過去は過去、未来は今から作るもの

軍艦少年――加藤さんはモデルからスタートされて、現在、魅力的な俳優として活躍されていますが、俳優業が自分に合っていると感じた瞬間はありますか? 加藤:僕なんかは最初二の線で出たけれど、ちょっと待てよと、二の線で出てること自体が間違いだったとしたら? と物事を考えたことで、新しい可能性が生まれていったと思います。これでやると決めたからには、僕はここでやっていきたいけれど、でもどこかで何か違うと感じたときには、他の方向から考えてみるのは大事だと思います。上手くいっているときに、次の展開のことを考えるのも重要です。  たとえば僕らの職業だったら、年を取ったらどうするんだと、日本の映画界を見て自分はどんなポジションを取っていかなきゃいけないのか考えたり。 ――自分を貫くことも大事ですけど、周囲を見て柔軟に考えていくこともやっぱり必要なんですね。 加藤:そうですね。それに過去の延長線上に未来があるわけじゃないんですよ。みんなそう思いがちですが。過去も無駄ではないけれど、過去は過去であって、未来は今から作るんです。 ――なるほど。

世界にアンテナを張ること

加藤:世界にアンテナを張ることも大切だと思います。結局自分は世の中に存在しているのだから。時代に合っていなければ取り残される。そういう目を持ち続けること。 ――サバイバルしてるんですね。 加藤:それはそうでしょう。そうした中でもね、今回の作品のように、友達とか仲間といった存在は普段から大事にしていたほうがいいと思いますよ。その重要さを感じさせてくれる作品だと思います。それからこの作品ももちろん観てもらいたいですが、映画というくくりで話すと、よその国の作品、イランだとかロシアとか、そうしたいろんな国の映画を観て欲しいと思います。ストーリーだけじゃなくて、その国の情勢だったり文化だったり、時代背景が伝わってくるから。日本の映画だけじゃなくてね、いろんな作品を観て、そこにもアンテナを張って欲しいですね。 加藤 <取材・文・撮影/望月ふみ、ヘアメイク/結城春香>
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
1
2
3

映画『軍艦少年』はヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開中
(C) 2021『軍艦少年』製作委員会
おすすめ記事
ハッシュタグ