恋愛・結婚

「生きる価値のないクズ」と罵倒され…モラハラ妻と離婚した男の“唯一の後悔”とは

妻の浮気が発覚

離婚 ある日、妻との共通の知人から居酒屋に呼び出され、こう告げられた。 「君の奥さん、浮気してるよ」  その浮気相手はその知人とも関係のある人物らしく、そのフルネームと勤務先の会社名まで教えてもらった。家に帰ってから妻を問いただすと、彼女は悪びれる様子もなく、半笑いであっさりと浮気の事実を認めた。  やはり無理があった。僕は妻の暴言を受け流すことで平穏な日々を過ごせるようになっていたのだが、そこにはもうほんの一欠片の愛情も残されていなかった。そんな結婚生活が長く続くわけなかったのである。  離婚するということですぐに話は決まった。問題は子供のことだが、話し合いの末、2人とも妻が引き取ることになった。僕は妻の半分ほどしか収入がなかったし、僕が男手ひとつで子供2人を育てるのは無理があった。  その後すぐに元妻は浮気相手と再婚して新しい家庭を築いた。僕はそれからも子供とはLINEでこまめに連絡を取り合い、たまに会ったりもしていた。たまにしか会えないのは寂しかったが、これでよかったのだ……と自分に強く言い聞かせた。

娘からのLINE通話

 そして数年が経ったある日のこと。夜10時頃に娘からLINE通話の着信があった。 「もしもし。どうした?」  応答するが、娘からの返事がない。 「もしもーし」 「……パパ。助けて」  しばらくして娘がか細い声で言った。泣いているようだった。 「おい、どうした!」 「私、もうこの家に住みたくないよ。パパといっしょに住みたい。ねえ、それは無理なの?」 「それはパパだって……」  僕だって娘といっしょに住みたい。が、ことはそう簡単ではないのだ。僕が言葉に詰まっていると、彼女は怯えたような声で言った。 「あ、ママが来る! ごめん。もう切るね」  そして通話は切られた——。
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自責の念がのしかかる
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オカルトを得意ジャンルとするフリーライター。コロナが収束したらチベットに雪男の探索に出る計画を立てている。

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