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家族との最後の思い出作り…“エンバーミング”で死亡後最長50日間は常温で保全可能

悔いのない時間が送れた

親が死ぬ前にすべきこと

完成した直後の博全社のエンバーミングルーム。万全の衛生状態のなかで、遺体への薬剤注入や修復作業などの処置が行われる

 また、新井氏自身も義父が亡くなった際、エンバーミングを施し悔いのない時間が送れたという。 「さすがに自分自身で処置するのは気が咎めたので、信頼するスタッフに行ってもらいましたが、やってよかったなという思いです。  義父は病院で亡くなったのですが、お見舞いに行くたびに『早く家に帰りたい。仕事に行きたい』と言っていた。死後はエンバーミングを施し自宅に連れて帰り、愛用のスーツを着せ1週間ほど過ごしました。義母は手を繋ぎ、添い寝して過ごしていましたね」

親が亡くなった後でも、思い出を作りお別れができる

 エンバーマーの数も少しずつ増えており、現在は全国に26社71か所の対応施設がある。 「エンバーミングは魔法ではないので、元通りにするのに限界はあります。ただ、たとえ親が亡くなった後でも、家族で悲しむだけではなく、故人のそばでゆっくりと過ごし、最後の思い出を作って、お別れができるということを多くの方に知ってもらいたいですね」 【エンバーマー 新井宏樹氏】 千葉県にある葬儀会社・博全社でエンバー・湯灌部のマネジャーを務める。同社には、エンバーマーが5人在籍している <取材・文/週刊SPA!編集部>
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