続いて都内でパチプロをしているB氏に話を聞いてみると、具体的な機種名が出てきた。 「もう、P機だと海物語しかないですね。基本的には沖海5がメインになると思います。遊タイム機種が減ってきて、もう遊タイムハイエナもできなくなって、こうなったらまた回転率重視の立ち回りに限られてくる。そうなるとやっぱり回転効率の良い海シリーズ、特に技術介入要素が高い沖海5をメインにするしかないと思います。 　やっぱりプロからすると、勝ち方をまったくわからずに打っている年齢層の高い人達に好まれている機種が狙い目なんですよね。お店としても、ある程度台の状況をよくしても問題ないので。とにかく私は、とりあえず海物語メインで立ち回ってみるつもりです。そのあとどういった台が出るかでまた変わるかもしれませんが、とりあえず海を抑えておけば、こういった時代の転換期でも上手く対応できると思います」 　年配層が好んで打つ台は比較的甘い調整や設定にする傾向は、今も昔も変わらずにあるようだ。遊技性を理解し、スキを突いた打ち方で出玉を増やす能力は若者のほうが高いのは火を見るより明らかだ。プロが狙う台は勝てる台、甘い台であって面白い台ではないのである。 　最後に話を聞いたのは、東海地方を中心に活動するパチプロのC氏だ。彼は長期的に稼働率が高いことが予想できる人気機種は、絶対に抑えておくべきだと語った。 「ひと昔はスペックや技術介入的にプロに好まれる台が長期稼働していくイメージがあった。でも今は少し変わったのか、『大工の原さん　超韋駄天』なんかは、ボーダーは辛くて技術介入要素もそこそこの台なのに、とんでもなく人気が出ましたよね。 　新しいエヴァンゲリオンも、ボーダーこそ甘いけど、そこまで技術介入ないのに大人気。となると、今は出玉の一撃性、そして演出の見せ方が面白ければ人気が出るということ。とにかく一般の人が多く打ってくれれば、店も還元しやすいと思うので、人気機種だけはチェックしなくてはいけません。 　正直、良い店選びと、その店のメインとなっている人気機種だけ打っていれば、ある程度は勝てると思いますよ。ちなみに人気機種を見つけるコツは、日々の稼働状況チェックももちろんですが、中古台価格をネットで調べるのが1番わかりやすいです。中古台価格が跳ね上がっていれば、それだけ需要があるということですからね」 　中古台の価格で業界の人気動向を読むとは……。まさに常人の考えの遙か上を行く発想である。 　今回話を聞いたパチプロに共通していた意見は、今後はとにかく店選びが重要になるということ。パチンコ店の数は減少しているが、大型店はコロナ禍でも勢力を伸ばしている現在、大手ホール同士の客の奪い合いは激化している。そんななか、全く客に還元しない店からは絶対に客がいなくなるため、しっかりと還元してくれる店は現在もたくさんあるということだ。パチンコ冬の時代、そしてコロナ禍の真っ只中でも、店選びさえ間違えなければ勝てる可能性は必ず上がるだろう。 文／セールス森田Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA！編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント