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ラーメンブーム、いつから始まった?“頑固オヤジ“から“文化”へ成長したワケ

ラーメン店主の「あのポーズ」も変化している

「男の食べ物」というイメージから、女性にも広がっていったラーメン。そうした従来の“男の食べ物感”の表れの一つが、メディアなどに紹介された際の店主の写真であるとも。
大勝軒

つけ麺ブームを作り上げた大勝軒

 だが、こうしたステレオタイプなポーズにも変化があったという。その背景には「ラーメンはこだわって当たり前」という時代にラーメン界が突入したからだと青木氏は指摘する。 「ラーメン店主の写真といえば、腕組みポーズのイメージが強いですよね。昔のおいしいラーメン屋さんは『こだわりの頑固オヤジ』のイメージだったと思うんです。腕組みは、そのイメージの表現としてカメラマンがリクエストしたことから始まったみたいなんです。だけど、腕組み写真って、今はほとんど見られないんですよ。  かつての『こだわりの頑固オヤジの店は旨い!』という先入観から、こだわるのが当たり前の時代になってきたんです。当たり前のことを『どうだ!』と言わんばかりに腕組みしてるのって、かっこ悪いじゃないですか(笑)。以前はラーメン屋の店内でよく見かけたウンチクも、今は同じような意識の変化から、ほとんどなくなりましたね」

その文化を余すことなく味わえる食べ方

 これほど折り重なった歴史があるのに、多くの日本人にとってラーメンは日常食にすぎない。それでも青木氏の話から、少しでもラーメンを「味わってみよう」と思った方に、オススメの食べ方を聞いた。 「食べ方についてはいろいろな意見があります。麺をいきなり混ぜて食べる方もいますが、基本的に今の日本のラーメンはいきなり混ぜて食べるように作られてはいないので、僕は混ぜずに食べます。スープの飲み方もいろいろあります。  レンゲは口の中に入れて飲むので舌の奥の方にスープが当たるんですね。なので舌全体で味を感じにくくなります。また、レンゲですくうとスープの温度はさがるので味の感じ方も違いますし、プラスチック製や木製など、レンゲの材質でも味の感じ方は変わりますよね。じゃあ丼から直接飲めばいいのかというと、一概にそうとも言えません。表層に油の膜が張っているラーメンは、丼から飲むと油ばかりを飲んでしまうことになりますよね。  また、熱いのが苦手な方が丼からすすると熱さで味どころじゃないということもあるでしょう。このように、レンゲでスープを飲むかどうかでも味に変化が起こります。ラーメンの味はそれだけ変化に富んでいるので『これが正しい』と決めずに、いろんな方法を試して楽しむといいですね」
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ラーメンからの気づき
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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