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手作りチョコが招いた食あたりクラスター。免れた男性を救った彼女の怒り

腹痛と下痢で男性社員がほとんど休み

 田中さんが出社するとテレワークとは言え、社内があまりにも閑散としている。出社している男性社員が明らかに少ないのだ。 「最低でも20人はいないといけないのにたった5人しかいないんですよ。それも僕のチームばかり。聞くと、数人から体調不良で休むと連絡があったらしく、まさかコロナ?と疑いました。しかし、全員熱が出たわけではなく腹痛と下痢だというんです。寒いので体調を壊したのかなと思ったのですが、休んだ社員たちは翌日も翌々日もほとんどが休み……あわや業務停止になるところでした」  そのため、稼働できる田中さんを中心にした数人で業務を分担したのだが、深夜までの残業が3日も続くことに。結局、体調不良の原因はわからなかったという田中さん。しかし、それから1週間後、欠勤していたチームの社員と喫煙所で話しているという驚くべき噂を耳にする。 「どうやら体調不良の原因は手作りのカップケーキなのでは?と。ケーキは別のチームにも配っていたのに、なぜ、うちのチームの人間だけが……と思いました。どうやら別のチームマネージャーは『こんな時期なので手作りは食べないように』と、内々に伝えていたんです」

上司からも叱られることに

 その後、上司から田中さんは呼び出され「こんな時期なんだから、社員の体調管理に特に気を遣ってくれないと……」と言われ、散々だったとか。  なお、すべて食べた社員は見事に全員食あたりになってしまい、当事者の女子社員にも確認したところ「ケーキが生焼けだったかも……」ということが判明。田中さんは一口しか食べなかったから大丈夫だったというわけだ。  この一件により、「コロナが収まるまでは手作り食品は禁止」というお達しが出たのだとか。手作りのお菓子を楽しみにする女子社員もいるため、なんとも心が痛いと田中さんは肩を落とした。 取材・文/結城
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