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<競馬>二桁の馬体重増減は危険サイン!馬体が絞れないと競走成績はこんなに変わる

10kg以上の増減は危険なサイン

 馬体重の増減、とくに減った場合に好走率が下がるということはわかりました。では、次に増減の幅です。幅によってどれだけ好走率に変化があるのでしょうか。 <前走比馬体重の増減幅別成績> -20kg以下 勝率3.2% 複勝率8.8% -18~-10kg 勝率5.5% 複勝率17.2% -8~-4kg  勝率7.0% 複勝率21.0% -2~+2kg 勝率7.6% 複勝率23.1% +4~+8kg 勝率7.8% 複勝率22.3% +10~+18kg 勝率6.9% 複勝率20.7% +20kg以上 勝率6.1% 複勝率17.0%  わかりやすく、増減幅の少ない中心に向かって成績が良くなっていますね。仮に馬体の増減があっても、-2~+2kgであれば問題ありません。また、増えた場合も+8kgまでならそこまで好走率が落ちていない事がわかります。減った場合も-10kg以下の落差が大きく、しきい値は10kg以上の増減が目安だと言えるでしょう。  実際、私も馬券を買う時のマイルールとして「馬体重が10kg以上の増減がある馬は買わない」ということを徹底しています。こうしたマイルールを決めておくのも、競馬の収支を安定させるために重要になりますので、良かったらマネしてみてください。  今年行われた重賞でも、馬体重が10kg以上増えていたケースで敗戦した人気馬が多くいました。例えば、愛知杯のアンドヴァラナウトは+16kgで出走し、1番人気の支持を受けていましたが結果は期待を裏切る11着に敗戦。また、アメリカジョッキークラブカップでも1番人気だったオーソクレースが+10kgで6着に敗れています。  また、馬体重が許容範囲の-8〜+8kgであっても、危険なケースが存在します。それは、過去に好走歴のない馬体重での出走です。  このケースではシルクロードステークスで1番人気カレンモエ、5番人気ジャンダルムがそれぞれ敗戦しています。カレンモエは+8kgでしたが、これまでの好走時における最高馬体重が466kgでしたが、当日の馬体重は478kg。ジャンダルムも+8kgでしたが好走時の最高馬体重506kgに対して514kgまで増えていました。特にこれは成長期でベスト体重が変動しやすい2〜3歳ではなく、古馬戦でより意識したいところです。

陣営のコメントも確認すると、さらに取捨がしやすくなる

 ここまではあくまでデータ上の傾向ですが、意識するだけで危険な人気馬を避けることはできるでしょう。ただ、もちろん競走馬は生き物なので、大きな増減があっても問題ないケースもあります。これらはパドックなどで実際に見て確認できればいいのですが、それが難しい人も多いでしょう。  そういう時に参考になるのが、陣営のコメントです。例を挙げると、先週の東京新聞杯に出走したファインルージュは、中間に蹄の状態が良くないというコメントが出ていました。  そしてそれを裏付けるかのように、当日は+16kgで出走でした。結果は1番人気で2着と好走はしましたが、馬体重と陣営のコメントを見ていれば単勝勝負は避けられたでしょう。陣営のコメントや調教の過程など、他の材料も揃えば信頼度はよりアップします。  ということで、今回の記事のまとめは以下となります。 ・馬体重は増えるよりも減る方が良くない ・10kg以上の増減がある馬は危険なサイン ・(特に古馬戦で)好走歴のない馬体重の場合は疑いたい ・陣営のコメントと合わせると信頼度アップ  ぜひ参考にしてみてください! 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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