更新日:2022年03月28日 12:38
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奨学金245万円の返済に15年…それでも「借りてよかった」と男性が語るワケ

自分の家がもっと金持ちだったら――。 大学に進学するうえで、ほとんどの人は考えたことがあるであろう「奨学金」という選択肢。 日本学生支援機構の「平成30年度 学生生活調査」によれば、奨学金を受給している学生の割合は、大学(昼間部)で47.5%、短期大学(昼間部)で55.2%、大学院修士課程で48.0%、大学院博士課程で53.5%。およそ2人に1人が奨学金を借りているということだ。 奨学金は他のローンに比べて金利が安いものの、それでも借金は借金だ。大学を卒業し、現在返済している人々は奨学金の存在をどう捉えているのだろうか。そのリアルに迫る。

家族の財政事情を考えて…

奨学金

都内でIT関係の会社に務める鈴木さん(仮名・23歳)

今回話を聞いたのは都内でIT関係の会社に務める鈴木涼太さん(仮名・23歳)。北海道の高校から都内の国立大学に進学し、卒業して2年が経つ。 奨学金を借りた理由は、家族の財政事情を考えてのことだったと話す。 「僕の家は3人兄妹で、姉がひとり、妹がひとりいます。姉は専門学校に通っており、妹もちょうど高校に入学するタイミングだったので、何かとお金がかかったんでしょうね。母親に『奨学金を借りてほしい』と言われました」 鈴木さんは地元では有名な進学校に通っており、大学に行かないという選択肢はなかったという。しかし、地元を遠く離れた東京の大学に進学したのはなぜだろうか? 「仲の良い友達がみんな東京に行くから、なんとなく決めました。当時は正直あんまり何も考えてなくて。金銭面を考えると国公立で、偏差値的にも受かりそうなところを志望校にしました」

週5回バイト+週3回部活の大学生活

晴れて第一志望の大学に合格した鈴木さんは、毎月5万1000円、第一種の奨学金を借りながら都内郊外のアパートで暮らすことになった。 「仕送りはもらっていませんでしたが、家賃は親に払ってもらっていました。月4万5000円くらいですかね。その他のお金は奨学金とバイト代で賄っていました。バイトは常に掛け持ちしている感じで、週5回くらいはシフトに入っていました。月に約8万円は稼いでいたんじゃないかなと思います」 週5回アルバイトをするとなると、それだけでほとんどのスケジュールが埋まってしまいそうだが、鈴木さんは運動部に入部し、週3〜4回の練習もしていたという。 「部活とバイトには精を出していましたが、その分不真面目な学生だったかもしれません。授業にはほとんど出ていませんでしたし。レポートやテストだけで評定が決まる講義を選んで取っていましたね」
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奨学金の使いみちは?
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浪費癖が直らない編集兼ライター

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