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「歯医者が怖い」を変えたい。現役歯科医の斬新すぎる挑戦と決意

 歯の治療と聞けば、「痛い」「怖い」というイメージがつきまとうが、もしも会いたくなるような可愛い歯科医師がいたらどうだろうか……。 「虫歯が無くても行きたくなる“コンセプト歯科”を作りたい」  そう言って、白い歯を見せながら笑う。昼は歯科医師として歯を治療、夜はライブ配信アプリ『Pococha(ポコチャ )』のライバーやYouTuberとして歯の大切さを説く。
鹿乃さやか

現役の歯科医師でライバーやYouTuberとしても活動する鹿乃さやかさん

 彼女の名前は、鹿乃さやかさん。昨年、お笑いコンビ・エレキコミックのやついいちろう主催の「やついフェス2021」キャンペーンガールのグランプリに選ばれ“歯磨きラップ”をリリース。3月21日に発表された「ミスiD2022」でサバイバル賞と321賞をW受賞するなど、注目度を高めつつある。  歯科医師になって5年目になるが、約1年前から配信活動を始めた。その裏にある思いや決意に迫った。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

患者から感謝される父の姿を見て「やりがいがある」と思った

鹿乃さやか——小さい頃は、どのような家庭環境で育ったのですか。 鹿乃さやかさん(以下、鹿乃): 愛媛県松山市出身で、実家は歯科医院を経営しています。父は男の子が欲しかったみたいで、小さい頃はスノボの板を履いたまま山の頂上に置いていかれて、「滑って来い」って言われたり(笑)。一方、母親は女の子っぽく育てたかったみたいで。バレエや新体操、ピアノと書道も習っていました。 ——最初から歯医者になろうと思っていたのですか。 鹿乃:高校2年生のときに患者さんから父親のことを褒められたんです。「寝られないくらい痛かったけれど、一瞬で痛みがなくなったよ」と言われて、歯医者ってやりがいがある仕事なんだと思ったんです。  ただ、中学からドラムをやっていたので、バンドをやりたいなって気持ちもあった。父親からは「四国には徳島にしか歯学部がないので、歯学部だったら東京に行ってもいいよ」って言われて、上京して音楽もできるし歯医者になろうって決めました。 ——歯学部に入るのは大変だと思いますが、勉強は得意でしたか。 鹿乃:好きでしたが、受験勉強は頑張りましたね。おかげで大学にはストレートで入れました。とはいえ、大学に入学してから卒業するまでが大変でした。成績が悪かったり、出席が足りなかったりすると進級ができないので。私は留年することなく卒業することができたのですが、1年から6年になるまでに、同級生が半分くらい変わっちゃうみたいな。

治療をしていて嬉しくなること

——歯科医になって5年目とのことですが、患者さんの口の中に手を入れたりするのに、最初は抵抗はなかったですか。歯を磨かない人が来たら大変かと思うのですが……。 鹿乃:むしろ、やりがいがあるって感じます。綺麗にしてあげたいって。でも歯の大切さを伝えても磨いてこなかったら悲しい気持ちになっちゃいますけど。歯医者に来るときだけ磨いているのではなく、「ちゃんと毎日磨いてるな」、「フロスも使ってるな」ってわかると、つい嬉しくなっちゃいますね。 ——歯の治療をしていて、困ったことはありましたか? 鹿乃:型取りをしているときに、患者さんから手をべろべろ舐められたことがあったんです。さすがに鳥肌が立ちました……。が、ありがたいことにほとんどの患者さんが優しい方なので困ることなく治療できています。
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コロナ禍でも「やるしかない」
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出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration

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