プラ新法でサウナ施設の無料カミソリ・歯ブラシはどうなる? 各施設に聞いた
2022年4月1日「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)」が施行。同法は、プラスチックゴミの削減を目的として、宿泊業者らに対し歯ブラシやカミソリなどの提供を減らすよう求めている。この新法に、ここ数年で人気が沸騰しているサウナの利用者からは、「サウナから歯ブラシやカミソリが消える」「手ぶらでサウナに行けなくなる」などの声が上がっている。実際に、各サウナ施設はどのように対応しているのか、都内の人気サウナに取り組みを聞いた。
まず、日本最大級のサウナファンサイト「サウナタイム」で口コミ投稿数が全国No.1という人気のサウナ「ニューウイング」(錦糸町)では、新法が施行した4月以降も浴室の歯ブラシとカミソリが取り放題になっている。これについて、同店の吉田健支配人の話を聞くと、利用者第一の姿勢が見えてきた。
「プラスチックの問題だけではなくて、エネルギー問題も関わってきます。今後、光熱費の大幅な値上げが見込まれているので、ガスや電気を使うサウナ施設は値上げせざるを得なくなってきます。それとほぼ同時に、カミソリや歯ブラシの使い放題をなくしたら、お客様は『値上げしたのにサービスが悪くなった』と感じてしまいますよね」
世界的なエネルギー価格の高騰と、プラごみ削減の板挟みになっている状態だ。しかし、お店としても手をこまねいているばかりではない。
「近いうちに、カミソリや歯ブラシの置き場を移動しようと思っています。使う個数に制限は設けませんが、フロントに置くことで必要以上には持っていかれる方が減ると考えています。光熱費もお客様に影響の出ない裏側は徹底的に抑えて、なんとか毎月10万円くらいは削減しています」と語り、ここでも利用者を第一に考える姿があった。
それでも、利用者にお願いしたいことはないか聞いてみると、サウナマットの話が出てきた。サウナマットとは、サウナに入る際に座面に敷く座布団状のもので、利用者はサウナに入る毎に1枚使う。つまり、1回の入浴でサウナに3セットはいるなら3枚使うことになる。
「マイサウナマットを持ってきていただきたいですね。サウナマットの洗濯代がかなりかかるので、これが抑えられるとかなり変わってきます」(吉田支配人)
ニューウイングからは歯ブラシやカミソリが消えることはないが、エネルギー価格の高騰も重なれば今後どうなるかは不透明だ。昨今のサウナブームで、マイサウナマットの売れ行きも伸びているが、それが施設を助けることにもなるようだ。
置き場を変えることで対応
お店が切望するマイサウナマット
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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