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プラ新法でサウナ施設の無料カミソリ・歯ブラシはどうなる? 各施設に聞いた

利用者とともにプラ削減へ

なごみの湯

「なごみの湯」のロッキーサウナ。常時マットが交換され、清潔感が保たれている

 BS朝日の「サウナを愛でたい」に登場するなど、メディアにも多数登場して認知度を高めている「なごみの湯」(荻窪)の状況をシニアマネージャー篠田知生さんに聞いた。 「以前は、歯ブラシとカミソリを浴室に積み上げ、使い放題にしていました。しかし2015年に、自動販売機での提供に切り替え、それぞれ1つ目は無料、2つ目以降は各50円で販売しております」  この取り組みはプラスチックゴミの削減にも大きく寄与する以外に、施設側のメリットもあったという。 「使い放題にしていた頃は、施設内で使っていただく分だけでなく、必要以上に持ち帰ってしまわれるお客様が後を立たず、コストの面でも大変重荷になっていました。しかし、自販機販売に切り替えてからはプラスチックゴミはもちろんコストも大きく削減できました」(篠田さん)

タオル、マットの使い放題も変更

 プラスチックゴミ以外にも、地球環境を考えた取り組みをしているのかについても聞いた。 「フェイスタオルやサウナマットも、浴室入口などに大量に積み上げて使い放題にしていました。こちらも、お客様による持ち帰りが横行したことと環境を鑑みて2枚目以降は有料にしました。おかげでクリーニング費用もグンと抑えられましたし、必要以上の在庫を抱えなくて済むようになりました」  環境問題とコスト削減は親和性が高いようだが、それを妨害しているのがそうしたことに無頓着な利用者であることがわかる。  しかし2020年、コロナが一つの方針転換を迫るとこになったようで、「コロナ感染防止対策の一環としてサウナマットを復活させましたが、クリーニング費用が跳ね上がったことから半年ほどで中止しました。現在は、男性のお客様にはビート板を使っていただいき、女性のお客様にはフロントで最初の1枚だけミニマットをお渡しし、2枚目からは有料としています」と篠田さんは続ける。    環境や社会の変化のたびに知恵を絞りながら、サービスレベルを下げないように工夫を凝らしていることが伝わってきた。  いずれの施設からも、サウナや歯ブラシが消えてしまうことはないようだ。しかしそれは施設側の知恵と努力の賜物。利用者である私たちが、サウナ施設のため地球のために、「適度」を心がけながらサウナを楽しむことも大事なことであることは間違いない。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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